たまには贅沢に分厚いお肉を用意してみたけど、加減が難しくて出来上がりの食感が硬かったり、いまいちジューシーさに欠ける。
在宅勤務が増え料理にはまった人も居るかと思いますが、火を使うと離れられなかったり、高温になって焦げたり、空焚きからの火事がこわいといった心配事も少なからずあるのでは無いでしょうか。
ですが今回はそんな心配の少ない低温で簡単に調理する方法を使って、美味しい豚肉を味わいましょう。
豚肉を60度で調理する場合は約2時間必要
低温調理はじっくりと時間をかけて中心まで熱していくので、火が入りすぎてかたくなるまでの猶予も長くなるのが特徴です。また栄養素も壊れにくく、水分を多く含んだ状態で仕上がります。
豚肉の場合はは60度という低温で調理をする場合、2時間かけるのがおすすめ。
なぜかと言うと、豚肉の調理は中心部の温度がしっかりと63度を保った状態で30分以上かけるという基準があるからです。
一応、可食状態の調理時間で言えば60度では1時間半程でも可能なのですが、使用する肉や下処理の方法によっては豚臭さが残ってしまい、後味に影響を与えてしまう可能性もあります。
なので条件を満たした調理の場合は充分火が通っている2時間がおすすめです。
簡単さに隠れた知るべき3つの危険なポイント
基本的に低温でも長時間かけて火を通すため、ちゃんと中心部まで熱が伝わって火が通りますし、残る色味はいわゆるハムのようなきれいなピンク色が殆どです。
ですがまれに一部がまだ透明感のある赤が残っている場合もあり、その時は生の可能性が高いと言えるでしょう。
その場合、食べずに袋へ戻してもう一度加熱をするか、いっそ切ってしまって軽く焼いてから食べることをおすすめします。
なぜかと言うと、生もしくは加熱が不十分な肉を食べてしまうことで食中毒を起こしてしまう危険性があるからです。
豚レバーをはじめとする豚のお肉や内臓を生で食べると、E型肝炎ウイルス(HEV)に感染するリスクがあります。E型肝炎は劇症化することもあります。
また、豚を生で食べると、サルモネラ属菌やカンピロバクター・ジェジュニ/コリ等の食中毒のリスクがある(※)ほか、世界では、豚からの有鉤条虫、旋毛虫等の寄生虫への感染も報告されています。
そのため冷たすぎない状態の肉を充分に加熱したつもりでも、心配になる状態だと感じた場合は必ず加熱してから口に入れる方がいいでしょう。
そんな食中毒などの危険を回避するため、私が知っておくべきだと思ったポイントは以下の3つです。
- 中心部の温度と加熱時間
- やっておいたほうが良い下準備
- 仕上がりが不安な場合の対処法
1.中心部の温度と加熱時間
上の項目にも書きましたが、いくら見た目が加熱後の色に見えたとしても、中心部の温度が低い状態であればまだ加熱状態は不十分の可能性があると言えるでしょう。
できれば先端が細い金属になった温度計などを使って、しっかりと中心温度を測りながら加熱し、視覚的にも安心を得たいものです。
しかし、温度計を持っていないなどそれが難しい場合は、切った後に目で見て判断するのがほとんどかと思います。
その時、余程冷たい状態の肉を使ったり、お湯から出ている状態での加熱だったりなどイレギュラーがなければ、大体の場合は基準をクリアできるはずです。
その基準というのが「中心部の温度を 63℃で 30 分間以上加熱するかこれと同等以上」というもの。
Q2 豚の食肉の基準はどのような内容ですか。
(中略)
③ 豚の食肉を、調理等を行い直接消費者に販売する場合は、豚の食肉の中心部の温度を 63℃で
30 分間以上加熱するか、これと同等以上の殺菌効果がある方法で加熱殺菌しなければならないこ
と。
出典:https://www.mhlw.go.jp/(PDF)
よって、この基準を知った上で調理すれば、肉が腐ってしまっていない限りはほぼ安全に食べることが可能と言えるでしょう。
中心部に刺せるような形の温度計を持っている場合は、ぜひ「中心温度が60度を超えているか」という点にも注目してみて下さい。
あまりに温度が低いようであれば加熱が不十分である可能性もあるため、追加でしっかり火を通してから食事に出すほうが良いでしょう。
2.やっておいたほうが良い下準備
私がおすすめしたいのは、調理する前にお肉をかならず室温に戻しておくということです。
なぜかと言うと、冷たすぎる状態で加熱をはじめればお湯の温度も下がってしまい、中心部まであたたまるのに時間がかかり、おすすめしている2時間では充分な加熱ができない可能性がでてくるからです。
なのでできれば調理の30分程度前に、バットに出したりラップをした状態でお肉を冷蔵庫から出して、室内に置いておきましょう。
時間が無い場合は塊を小さめに切り分けて加熱するのもおすすめです。
程よくピンクで「レア」の状態が食べたいという方は、もしかしたら思った以上に多いかもしれませんが、自分で作る場合は特に、可食との境界線ギリギリを攻めていくのは危険。
確かにある程度冷たい状態から調理をすれば、程よく中心がレアに仕上がって、ジューシーなお肉を楽しむことができるでしょう。
けれどそれは、食中毒などの危険と隣り合わせだと思って下さい。肉の調理基準が改められたのにも、もちろんしっかりとした理由があります。
平成 23 年4月に発生した飲食チェーン店での腸管出血性大腸菌による食中毒事件で5名の方
が亡くなられ、重症者も多数出たことを受け、平成 23 年 10 月から、牛の食肉の規格基準が適用
されるとともに、平成 24 年7月から、牛のレバーを生食として販売・提供することを禁止しま
した。
出典:https://www.mhlw.go.jp/(PDF)
上記の事例は牛肉ですが、後に豚レバーを生食用として提供している実態が発覚したため、安全のために豚肉にも基準が定められることとなりました。
このような事故を防ぐため、冷凍肉であれば冷蔵庫で一度解凍してから使用するほうが安心です。
3.仕上がりが不安な場合の対処法
実は低温で調理した場合、真ん中あたりの温度がちゃんと60度になっていても、色がピンク色になっている事があります。
これは基本的に「ミオグロビン」というタンパク質の色であり、豚の血の色ではなくちゃんと火は通っているのです。
また加熱できていれば基本的に不透明で白っぽい状態になりますが、逆に言えば切った面に透明感のある赤色部分がある場合は要注意ということです。
明らかに鮮やかな赤色で、臭いも生臭ければ生の可能性もあり、中心部の温度と合わせて注意が必要になります。
その場合は無理をしてそのまま食べず、ある程度の大きさに切り分けてから追加で焼いたりという加熱処理をしてから口に入れましょう。
とはいえ上記の中心温度と調理時間を守っている場合、あまり心配する必要は無いとも言えます。
この記事では残る水分などのバランスから2時間がおすすめとはお伝えしていますが、単純に調理をしたい場合はその限りではありません。
なぜかと言うと、厚生労働省の食品安全基準によるとあくまで「中心部が63度の場合は30分以上加熱すること」と定められていて、それと同等であれば食べられるということだからです。
Q4 豚の食肉の中心部の温度を 63℃で 30 分間以上加熱するかこれと同等以上とされています
が、どのように調理すればいいのですか。
(A)
1 63℃で 30 分間以上加熱するかこれと同等以上の殺菌効果を有する方法とは、加熱温度が高く
なれば加熱時間が短くなることから、例えば、75℃1分間以上の加熱でも差し支えありません。
2 中心部の温度が 75℃に達してから1分間以上の加熱の目安は、豚の食肉等の中心部の色が白っ
ぽく変化することです。
出典:https://www.mhlw.go.jp/(PDF)
肉の部位や調理時間で大きく変わる!?
普段から料理をしている方はよく分かるかもしれませんが、ブロック肉は田舎のスーパーであってもバラ・ロース・ヒレといった種類はよく見かけるかと思います。
これらは脂身の量が全然違い、一般的にはバラ肉だと半分近くが脂身である場合もあるほど。
こちらはよく豚の角煮などで使われますが、茹で汁を捨てても捨てても油がでてくるので、かなりカロリーは高いですが、油のおかげで甘みの強い部位とも言えるでしょう。
ロースはバラとヒレの中間くらいで、程よい赤身の食べやすい部位になります。
きめ細やかな肉質でバランスが良く、旨味も強いのでとんかつなどで多く使われ、若干高級な部位という印象があるのではないでしょうか。
ヒレは脂身がほとんど無く、普通に焼いただけではパサパサになりやすい部位と言えます。
よくカツとして衣をまとった状態で出てくると思いますが、衣があれば水分なども逃げにくく、程よい柔らかさを保ったまま調理することが可能です。
今回ご紹介している60度という低温の調理方法では、その脂身が少ないヒレ肉であっても、成功すれば程よく肉汁の残ったしっとりジューシーなものに仕上がります。
つまり角煮などによく利用されるバラ肉の油分が苦手な方や、お肉は好きだけどカロリーが気になるという方にもおすすめできるのです。
また直に水に漬けるわけではなく、基本的に保存用のパックやラップなどに包んで調理をしていくため、水分や旨味が逃げにくく、失敗もしにくいのが特徴ではないでしょうか。
ブロック肉などは特に、中心まで火が入りすぎてしまうことによって硬さがでてきてしまいます。
ですが低温調理は低い温度でじっくり温めていくため肉が縮みにくく、締まって固くなるということがあまりありません。
つまり、長時間グツグツ煮込んだ時などの「火の入りすぎ」という状態を防ぐことができ、程よく柔らかい食感と肉汁を残したブロック肉が出来上がります。
今回ご紹介している60度という温度であれば、早めに引き上げるなら1時間半は加熱しておきたいところです。
そこから2時間までには30分の間が存在するので、安全な時間の間で早めに引き上げたり、更に加熱を重ねるなど、ぜひ自分好みの肉を見つけてみて下さいね。
調理後のアレンジも豊富!
加熱済みの豚ブロック肉は基本的に、食べる前に手を加えて更に美味しくする必要があります。
お肉そのものの味というのもそれなりに美味しいですが、下味を付けずに加熱した場合、そのままではあまり味があるとは言えませんよね。
そのため、加熱済みであることを生かして「さっと絡めるだけ」や「温め直す程度」にぱぱっとひと手間加え、美味しいお肉を堪能してみましょう。
- タレに漬け込む
- 煮込む
- 表面をバターなどで焼いてカリッとさせる
- 薄く切ってパンに挟む
- 細かく切ってサラダやチャーハンにいれる
タレに漬け込んでも、あえて煮込んでも味がしみて美味しく仕上がると思います。また、ぶ厚めに切って鍋の具材としても利用できそうです。
ほかにも先に表面をかりっとさせてから切り分けたり、薄く切った場合は塩コショウやドレッシングなどでも美味しく頂けるはず。
また軽く焼き色を付けることで、視覚的にも美味しさが増しますね。
まだまだ恋しく美味しい冬野菜。
塩麹に漬けておいた豚バラの塊肉、大根、長ねぎを圧力鍋で煮て、ほくほく煮物♨️残りはアレンジ。脂を丁寧に取り除いた煮汁に、白菜を敷き詰め、生姜、豆腐、切り直した豚肉と大根を入れ、柚子を絞って、はふはふ汁物♨みなさま、あたたかくして良い日曜日を
🍃🐸☔️ pic.twitter.com/IsWlZEmG1M— wato (@watokitchen) March 3, 2019
豚肉のブロックを買って…63℃で8時間コトコト…低温調理。😊
自家製チャーシューの出来上がりです。(*^。^*)♡ pic.twitter.com/GCkpA4zpHB— ねんこ(白恋) (@nenko_oj) August 5, 2021
しっとり仕上げに最適!!低温調理器とは
あなたの家のコンロはガスですか、それともIHなどの電磁調理器でしょうか。
IHなどの電磁調理器であれば、鍋の温度を大体一定に保つことも難しくないでしょう。しかしガスコンロは違います。
電磁調理器に比べて高い温度になりやすいため、温度を保ちやすくなった最新のガスコンロであっても低温を保つというのは非常に難しいのです。
そこで今回おすすめしたいアイテムが、火を使わず電気の力でお湯の温度を保ってくれる調理家電「低温調理器」になります。
これがあれば、お肉に限らずじっくりと火を通したい食材に使うことができ、普通に煮込むと流れ出てしまう栄養素を多く残したまま調理することが可能になるのです。
低温調理器のバリエーション!!国産か海外製か
低温調理器という存在は割と最近聞くようになったと思いますが、調理器の名前にもなっている「BONIQ(ボニーク)」が普及させたと言われています。
BONIQは海外のメーカーですが、実は国産のメーカーでも低温調理器は販売されているのです。
普及している低温調理器のメーカーは、よく聞くものでは4つあり、内2つが日本のメーカーになります。
- BONIQ(ボニーク)
- Anova(アノーバ)
- アイリスオーヤマ
- 貝印
低温調理器はだいたい850Wと1000Wのものがあり、1000Wのハイパワー機種は大きめでかさ張りますが、一気にたくさんの量を作りたい場合に向いています。
また固定の仕方もクリップで手軽にできるものから、ねじ式のしっかり固定できるものもあり、所持している鍋に合わせて対応したものを選ぶ必要があるようです。
ちゃんと調べてから買わないといけないね!
BONIQ(ボニーク)
火付け役とも言えるボニークは非常に有名でハイパワーのものが多く、欧米のメーカーですが公式サイトは日本語であり、比較的手に入りやすい印象があります。
また公式サイトはチャットでガイドなども出てくるため、対応は非常に手厚いように思えます。
固定はクリップ式で、ガイドブックなどもついており、コンセントも日本で使える形式のものなので安心ですね。
低温調理器はボニークっていうの使ってるけど、買って良かった😆
洗えるし、公式アカさんが親切に調理法とかリプ返してくれたし、レシピサイトもめっちゃすごい情報量だし pic.twitter.com/hL4Vns7VFd— よゆー (@torotakukappa) December 23, 2021
やはり低温調理器を一躍有名にしたメーカーということもあってか、特に体を鍛えて居る方などからの評価も高く、利用している方も多いようです。
お肉が好きな方にとって、これは革命的な調理器具なのではないでしょうか。
【低温調理器】 ミディアムレアのお肉が作れる BONIQ ボニーク
Anova(アノーバ)
アノーバはボニークと同じく海外のメーカーで、固定はネジ式。残念ながらこちらは日本語に対応していません。
専用のスマホアプリと連携ができるのが特徴で、比較的細く設定をすることができますが、全て英語表記なので英語に堪能、もしくは調べながらでも使いたいという方におすすめ。
ただしコンセントがアメリカの形のものなので、日本でも一応使えるのですが、コンセントの変換アダプタが別途必要になってくる点に注意です。
覚書用→anova(低温調理器)63℃10時間、その後タレから出してAir fryerのブロイルモード450°F3分、ひっくり返して3分。ジップロックに入ってたタレは煮詰めてかける。
いつもフライパンで焼き目をつけてたけど、エアフライヤーだと油も落ちるし全体に焦げ目ついていい感じ!今日はチャーシュー丼🥰 pic.twitter.com/NCnyH33mld
— Nile@地面 (@ItmNile) December 9, 2021
しかしながらアプリを使っての細かい設定が可能なアノーバはハイパワーで本格的な「家庭料理以上」の調理がしやすく、使い方さえマスターすれば非常に良いものと言えるでしょう。
アイリスオーヤマ
お手頃価格で様々な家電を販売している国内メーカーとして有名なアイリスオーヤマは、家具店やホームセンターでもよくみかけることができます。
固定はクリップ式で、国産なのでコンセントの形状も問題なく使用できる物。また付属品としてレシピブックがついてくるため、肉以外の調理がしたいけど思い浮かばないという方にも最適。
アノーバと比べると値段も手が出しやすく、調理家電を使った料理の初心者でも扱いやすいのではないでしょうか。
おはようございます♪
昨日は
朝 オートミール
昼 お弁当
夜 画像のやつ ビール×4本
アイリスの低温調理器が届いたようで胸肉を調理してくれたんですが、
歯がいらんぐらい柔らかくなりました🤤✨
なんだか味も濃厚でうまうま…
文明の進化、すごい!#ダイエット記録#鶏肉ざんまい pic.twitter.com/JT1Mo31IVx— FD (@flexible_d2020) September 10, 2021
人によって信頼するメーカーというのは変わりますが、単純に国産メーカーであればいいという方にとっては、価格も性能も間違いない一品だといえるはず。
貝印
元々カミソリなどの刃物を扱っている国内メーカーですが、調理家電なども多く扱い、アイリスオーヤマと同じくホームセンターなどでも見かけることが多いメーカーです。
温度設定などが正確で、お肉の仕上がりが素晴らしいと評判なのもおすすめポイント。
ですが固定はクリップ式ですが他とは少し形状が違い、専用のスタンドや食材を真空パックできるシーラーも付属しているため、お値段はちょっとお高め。
しっかり真空パックも合わせてしたい、スタンドにしっかり立てておける物がいいという方にはぴったりです。
#貝印#隠れKAI
全然隠れていない。低温調理器。
キッチンの定位置をキープ
毎日脱気して、セットして置くだけで美味しく調理出来る優れもの。 pic.twitter.com/joqbjG20XS— マミー (@mammy_326) November 30, 2018
殆どのものは形状も近くスタイリッシュで、見せても恥ずかしくないデザインなのが嬉しいところ。
また評価を調べてもどれも仕上がりに大差はなく、出来上がったものは非常に美味しいもので、値段も気にならず買ってよかったという声が沢山ありました。
他にも深さのある鍋が必要になってきますが、低温なので必ずしも鍋である必要が無く、100円ショップのバケツや大きめのプラケースを使っている人も居るようです。
番外編!!火も電気も使わない保温方法
どうしても低温調理器などを用意できない場合にも、実はいくつか保温しておく方法があります。
ですが火も電気も使わない保温方法なので、調理器に比べて最初の温度が高くなり、時間経過で温度は下がってしまうでしょう。
また環境によっては2時間経っても中心部はぬるかったり、最初の状態によっては生のままという可能性もでてくるはずです。
その場合はもう一度高い温度にしてから追加で保温したり、諦めて切り分けてから加熱をすることをおすすめします。
- 新聞紙やアルミホイルを使う
- なべウォーマーを使う
- 発泡スチロールなどを使う
新聞紙やアルミホイルを使う
アルミホイルは保温してくれる素材として有名ですが、新聞紙も実は非常に保温性に優れています。
新聞紙は古紙を利用してできているため繊維が粗く、たくさんある隙間に空気を取り込むことで断熱、保温の効果を発揮するからです。
どちらか一つでは正直、いまいち低温調理のための温度を保っているのが難しい部分もあるかもしれません。なのでこの2つは併用するのがおすすめです。
まず沸騰させたお湯で1分ほど肉を加熱し、なべの直径より倍くらい長めのアルミホイルと、畳んだままの新聞を敷きましょう。
その上に火から下ろしたなべを置いたら、周りをクシャッとさせた新聞紙で囲みます。ある程度の厚みで囲めたら、上からアルミホイルでぐるっと2重くらいに巻いてしまいましょう。
蓋の部分も新聞紙をかぶせて、アルミで覆わないとあっという間に冷めるので、忘れないように注意が必要です。
なべウォーマーを使う
一般的に「ウォーマー」といえば、ティーポットを覆うドーム状のものを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するものはそれが大きく分厚くなっただけのもので、素材によっては火を消したコンロの上での使用も可能ですが、念のためコンロから下ろして厚く大きめの鍋敷きとセットで使うと良いでしょう。
たっぷりの綿などを使って分厚くなった布で覆うので、思った以上に熱が逃げにくいものになっています。
最初にしっかり沸騰させた湯で1分ほど加熱したあと火からおろし、鍋敷きに乗せてウォーマーをかぶせます。
基本的に布製なので、保温性が気になる方は新聞紙やアルミホイルと一緒に使用すると、更に熱が逃げにくくなりますよ。
余談ですが「鍋帽子」と呼ばれる商品もあり、こちらは問い合わせでのみ購入できるものなのだとか。
手作りも可能なので、気になる方は探してみることをおすすめします。
5時間くらいは熱々のままですよ!
発泡スチロールなどを使う
大きめの発泡スチロールの箱があれば、新聞やアルミホイルと同じ様に保温することが可能です。
とはいえ、なべそのままだと最初の高い温度では溶けてしまう心配もあるので、新聞紙やアルミと併用することをおすすめします。
他にはダンボールもそれなりに保温性が高いので、他のものと併用して保温手段として利用もできるはず。
ある程度の大きさがある発泡スチロールもダンボールも、スーパーなどの裏手に行けば置いてあることも多く、見当たらない場合などは店員さんに直接聞いてみるという手段もあります。
(* ̄ㅂ ̄) コレデモカこれでもか、と保温剤として紙くず(新聞の裂いたヤツあたりがベスト)を詰め込んで、鍋の上にも保温剤を敷き詰めて蓋をします。蓋もスチロールならベストofベスト。
真冬でも次の日まで驚くほど冷めずにあり、その時点でウマウマに煮込まれた状態になります。— よろづ屋TOM ☆絵をRTして戴くのが何よりのご褒美♪ (@yolozyaTOM) November 2, 2021
また今回の趣旨と少しズレてはしまいますが、分厚い肉で調理をしたいところを、いっそ最初から薄めに切って調理すると、この方法でも心配事が減りますね。
どの方法でも鍋の取っ手部分まで熱が伝わってしまい、熱くなっていることが多いので、取り出すときは鍋つかみなどを使用するほうがいいでしょう。
やけどや火事にも充分気をつけて、自分に合った方法で調理をしてくださいね!
まとめ
- 中心温度が60度の状態で2時間調理がおすすめ
- 室温に戻してから調理するほうが安心
- 加熱するときは保存パックに入れて空気を抜いた状態にする
- 火や家電を使わない保温方法もある
- 低温調理器がとても便利
今回ご紹介したのは、豚肉を60度で調理する際に必要な時間や、それに伴う注意点でした。
やはり60度という低温で調理をする場合、ブロック肉のような大きな物は火が通るまでに時間がかかり、あまり早く加熱を終えてしまうと中心部がまだ生の場合があります。
その状態で食べてしまわないように注意する必要もありますが、出来上がってしまえば調理の幅も中々に広く、優秀な食材です。
定められた基準をクリアできる状態で、美味しく食べられるおすすめの時間をお伝えしましたが、安全な時間の中でご自身の好みの状態を見つけてみて下さい。
キッチンのスペースなどにも余裕がある方は、話題の低温調理器を使用すると安全に、温度を維持して調理することができるので、検討してみてはいかがでしょう。