ジビエの中でも臭みが少なく、初心者でも気軽に食べることができる鹿肉。
「ジビエに挑戦してみたい!」という方がまず食べてみたくなるのが鹿肉ですよね。鹿肉は栄養価が高く鉄分が豊富で女性に人気のお肉でもあります。
最近ではジビエ料理を提供する飲食店が増え、ますます身近に食べることができるようになりました。
「鹿肉を家で食べたい!」という方もいらっしゃるかと思います。今回は鹿肉を家で食べる際の注意点をご紹介したいと思います。
鹿肉の食べ方で注意すべきことは?
鹿肉を食べるときは十分に加熱調理をしてから食べましょう。
ジビエ。いわゆる野生鳥獣のお肉は、人工的に育てられている家畜と違い、菌を持っている可能性が高いです。
もちろん、ジビエの中でも比較的食べやすい鹿も菌を持っている可能性があります。
- E型肝炎ウイルス
- 腸管出血大腸菌
- 寄生虫
これらの菌が生きたまま体内に入ると食中毒を起こす危険性があります。
従って、生や半生のまま鹿肉は食べてはいけません。鹿肉を食べるときは、十分に加熱調理を行いましょう。
加熱に注意しないとどうなるの?
先ほど「十分に加熱調理する」とお話ししましたが、万が一、生や半生で鹿肉を食べると【E型肝炎ウイルス】【腸管出血大腸菌】【寄生虫】に感染するリスクが高まります。
E型肝炎ウイルスとは?
E型肝炎ウイルスは本来、インドやネパール、パキスタンなどの南アジアやミャンマーなどの東南アジアなどで広く蔓延し、感染報告の多いウイルスです。
しかし日本国内でも発生報告があります。
潜伏期間がありその期間は2週間〜9週間です。
症状として皮膚や目が黄色くなる黄疸の症状や発熱、食欲の低下、腹痛などが挙げられます。
慢性化のリスクは低いですが重症化のリスクは十分にあり、最悪の場合死に至ることもあります。
腸管出血大腸菌とは?
本来、人間の腸内に存在する大腸菌ですが、その大腸菌の中にも「病原大腸菌」と呼ばれる害を及ぼす毒素の強い大腸菌がいます。
もちろん大腸菌は人間以外の生き物の大腸にも存在し、しっかりと加熱をしないと、ジビエの大腸に潜む害のある大腸菌は、ジビエを食べることによって人間の体内に生きたまま入ります。
感染後の症状としては、軽度の下痢から、激しい腹痛と大量の鮮血を伴う下痢まで症状の幅が広いです。
また、血小板が減少、貧血、肝機能障害などの合併症を引き起こす危険性もあり、死にいたる可能性もあります。
寄生虫とは?
寄生虫は人や動物などの体内に寄生し生きている生物です。
もちろん、寄生するだけでなく、害を及ぼす場合もあり、寄生虫症と言われています。
鹿肉の代表的な寄生虫はサルコシスティス(住肉胞子虫)です。
症状としては下痢、嘔吐、腹痛、血圧低下などがあります。主に消化器症状を引き起こしますが、比較的軽症で終わるそうです。
重症にしても軽症にしても感染症は苦しいものです。
最悪の場合死に至る危険性もあるのでジビエを食べる際は十分に注意しましょう。
鹿肉を調理するときのポイント
2014年11月14日に農林水産省はジビエの衛生管理指針(ガイドライン)を設定するように各県、市、区に促しました。
その理由は、ジビエを食する人々が増え、それと同時に被害も深刻化してきたからです。
2016年には茨城県の飲食店で熊肉料理を提供していましたが、旋毛虫(トリヒナ)という寄生虫で食中毒が発生してしまいました。
ガイドラインが設定されてもなお、このようなジビエの食中毒被害はあります。鹿肉含め、ジビエを安心安全に食べるためには、しっかりと注意するポイントを押さえておくことが重要なのです。
家で調理するときは以下に気を付けましょう。
- 調理する前に色や臭いを確認。異常がある場合は破棄。
- ジビエの食材器具は他の食材と分ける。
- 必ず加熱調理をする。生、半生は厳禁。
- ジビエに触れた調理器具は熱湯消毒。あるいは次亜塩素酸ナトリウムで消毒。
- 保存時は他の食材と分ける。10℃以下の冷蔵か−5℃の冷凍保存。
今では通販でジビエを購入できるほど広く一般化しています。鹿肉含めジビエを家庭で食べる際は調理時の取り扱いに十分注意しましょう。
鹿肉を食べるときの注意点まとめ
今回は鹿肉の食べ方で注意する点についてご紹介しました。
鹿肉を食べる際は加熱に十分注意してください。
- 調理する前に色と臭いを確認
- 調理器具は他の食材と分ける
- 中心部までしっかりと火を通す
- 調理器具をしっかり殺菌
野生動物はさまざまな菌や寄生虫を持っている危険性があります。
少しでも感染のリスクを減らすように注意点を押さえて調理することをお勧めします。