皆さんは普段、ご飯を食べるときに食材同士の相性を気にしたことはありますか。
私は子供の頃、親や祖父母が○○と××は一緒に食べちゃダメだ、おなかを壊す、などという話をよくされていたので、なんとなく相性のよくない食材があるのかなという認識はありました。
しかし、実際に何と何がダメなのか、なぜダメなのかということをしっかり理解しておらず、大人になってから詳しく知りたいと思うようになりました。
そこで、食材同士の相性について詳しく調査してきました。その中でも、今日からすぐ使える夕飯の献立に役立つ、みんな大好きなお肉とお野菜の相性について解説します。
食べ合わせって実は悪いことばかりではなく、相乗効果がある組み合わせもあるんです。
この記事を読んで、お肉と相性の悪い食材の組み合わせは避け、賢く効率よく栄養を取り入れられるようになりましょう。
お肉と相性の悪い食材とは?牛・豚・鶏について解説!
お互いに相性の悪い食材というものは存在します。
人間でもなんだか気が合わない人っていますよね。同じことをするにしても相性のいい人と悪い人では効率が全く違います。
それと同じように、食材だって相性がありますし、栄養の吸収が悪くなったりよくなったりとかなり相性に左右されるんです。
まずは、相性の悪い組み合わせを知って、それを避けるように心がけましょう。
牛肉と相性の悪い食材
牛肉と相性が悪いといわれている食材はずばり、にらです。
にらには体を温める作用、牛肉にも血の巡りをよくする作用があり、体を温めすぎてしまう可能性があります。
結果として歯茎を傷めたり、便秘などを引き起こす可能性があるので避けたほうがよいでしょう。
豚肉と相性の悪い食材
豚肉と相性が悪いといわれている食材はきゅうりや冷たいお蕎麦です。
きゅうりやざる蕎麦など冷たい蕎麦には、体を冷やす作用があり、同じように豚肉にも体を冷やす作用があります。
そのため一緒に摂取すると過剰に体を冷やしすぎてしまい、結果的に消化器系に負担をかけてしまいます。
もし蕎麦と一緒に豚肉が食べたいのであれば、肉蕎麦など温かい調理をするとよいでしょう。
鶏肉と相性の悪い食材
薬膳では気を排出させる”後気”の大根と、気を補う”補気”の働きがある鶏肉では、相反する作用のため相悪といわれ、栄養価が減ると考えられいるそうです。
これだけではわかりにくいので、詳しく解説すると、後気とは薬膳や漢方において、体の中の気を巡らせて体外へと排出させる働きのことを言います。
そして、補気とは疲れて不足した元気を補ってカラダを回復させてくれる働きのことを言います。
つまり、大根と鶏肉の組み合わせがなぜダメなのかというと、正反対の作用のため、お互いが邪魔してしまい効果が半減してしまうよ、栄養もうまく取り入れられないよ、という意味です。
同じ理由で高麗人参と大根なども良くないそうです。普段高麗人参はあまり食べる機会はないかとは思いますが、鶏肉と大根は組み合わせがちですので注意しましょう。
今回紹介した組み合わせは、急激な体調の変化や食あたりなどが起こるということではないので、あくまで参考にしていただければいいなという程度です。
しかし、あまり相性が良くない、なぜ良くないのかということだけでも頭に入れておいていただけると、食材を選ぶ際の手助けになっていいのかなと思います。
食べ合わせって?お肉と相性のいい食材ってあるの?
食べ合わせ、食い合わせという言葉を聞いたことはありますか。よく使われる言葉なので、聞き覚えがある方も多いのではないでしょうか。
ここでは食べ合わせとは何か、お肉と相性のいい組み合わせとは何かについて紹介していきます。
食べ合わせとは?
食べ合わせとは、食い合わせとも言い、主に悪い意味で使われることが多い印象です。一般的には、一緒に食べると体に対して何らかの害のある食材同士の組み合わせのことを指します。
例えばてんぷらとスイカなどは、水分で胃液が薄くなってしまい消化不良を起こす可能性があるのであまり良くないといわれています。
また、焼き魚と漬物は、魚を焼いたときに発生するジメチルアミンと漬物に含まれる亜硝酸塩が合わさると発がん性物質が発生する恐れがあるといわれています。
このように、体に害をなす恐れのある組み合わせは、知っていれば避けることができますよね。
また、相性の悪い組み合わせだとしても、何かを一緒に摂取したり調理法を変えたりすると無害になることがありますので、ぜひ気になる方は調べてみてくださいね。
しかし最近では、食べ合わせという言葉自体が変化して、悪い意味ばかりではなく、いい組み合わせのことを指す場合もあります。
組み合わせを確認する際はいいのか悪いのか作用や理由を確認するようにしましょう。
お肉と相性のいい食材の組み合わせ
実際にお肉と相性の良い食材について調べてみたところ、たくさんの食材が見つかりました。お肉の種類と効果ごとに分けて表にまとめてみました。
牛肉
牛肉には疲労回復・胃腸強化・傷の回復力促進・利尿作用などの効果が期待できる組み合わせがあります。
食材 | |
疲労回復 | トマト・ニンニク・カキ・シジミ |
胃腸強化 | ジャガイモ・玉ねぎ・白菜・フキ |
傷の回復力促進 | 大麦・ごま・ナス・オリーブオイル |
利尿促進 | きゅうり・セロリ・ウリ |
牛肉と相性の良い食材はこんなにたくさんあるんですね。たくさんあるので是非工夫して取り入れていきましょう。
SNSでも、相乗効果をうまく活用している方が多い印象です。
昨日はゴーヤと牛肉とニンニクを炒めました。
ゴーヤ特有の苦味はモモルデシン。肝機能強化や胃液分泌促進、血糖値効果作用など様々知られているそうです。
牛肉とともに夏バテ解消、体力増強、胃腸を丈夫にし胃腸強化にも。ニンニクも胃もたれ、食欲不振にいいから、この料理は夏のスタミナ回復です pic.twitter.com/8YzYqiwhGM
— 土屋幸太郎 薬剤師、不妊カウンセラー 漢方と中医学@土屋薬局 山形県東根市 (@tutiyak) September 7, 2019
豚肉
豚肉には高血圧予防・疲労回復・美肌効果・老化予防などの効果が期待できる組み合わせがあります。
食材 | |
高血圧予防 | しめじ・わかめ・こんにゃく・ひじき |
疲労回復 | 玉ねぎ・ニラ・ニンニク・ネギ |
美肌効果 | 鶏皮・ヨーグルト・ゴマ |
老化予防 | かぼちゃ・さつまいも・落花生 |
豚肉にはビタミン等が多く含まれており、単体でも疲労回復や美肌効果などが期待できますが、どうせなら相乗効果を狙っていきたいですね。
また、高血圧予防なども一緒にできると健康維持もできて一石二鳥です。
豚肉の食べ合わせ
オススメの食材は
【ニンニク・玉ねぎ】
・アリシンという成分が含まれ、ビタミンB1の代謝をサポート💡(結合すると構造が安定する)
・ビタミンB1はストレスを感じると尿中に排泄されてしまうので、安定大事。【こんにゃく・しめじ】
・コレステロールを取り除き、高血圧を防ぐ。 pic.twitter.com/Tut6mzcd2C— Lily@管理栄養士 (@lily_029831) November 8, 2020
鶏肉
鶏肉には脂肪肝の予防・胃腸強化・貧血予防と改善・美肌効果などの効果が期待できる組み合わせがあります。
食材 | |
脂肪肝の予防 | ごぼう・さつまいも・大豆 |
胃腸強化 | もやし・大根・キャベツ・トマト |
貧血予防・改善 | ほうれん草・チンゲンサイ・アスパラガス・小松菜 |
美肌効果 | 牛すね肉 |
貧血は美容にも大敵なので積極的に取り入れていきたい組み合わせですね。
【美容プチ情報】
小松菜は
◎肉・魚等ののタンパク質
◎きのこ類のビタミンD
と一緒に食べるとカルシウムの吸収率がアップ!また牛肉や鶏肉、マグロなどのたんぱく質と合わせると鉄分の吸収率もアップします。
骨粗鬆症や貧血予防にもなるのでぜひ!!#ゆるゆるミカン #小松菜 #食べ合わせ pic.twitter.com/InUNdL4U3G
— ゆるゆるミカン 相互フォローします (@yuruyurumikan7) September 22, 2019
たくさんの効果があるので、ご自身やご家族の体調に合わせて食材を選択して、実際に調理の参考にしてみてくださいね。
お肉と相性◎食材!!調理法を紹介!お勧めは?
ここまでは相性の良い食材や効果について学んできましたが、この項目では相性の良い食材を使った、実際の調理法についてご紹介していきます。
疲労回復・体力増強
疲れをとりたい、体力をつけたいそんな方にお勧めなのは、メンチカツです。
メンチカツにニンニクを入れることで、牛肉+ニンニクの疲労回復効果が狙えます。また、牛肉+キャベツは鉄分アップ効果があります。
さらに、ソースをトマトやナス、ゴマ、オリーブオイルを入れた手作りソースにすると、傷の回復効果も狙えます。
- 合いびき肉 250g
- 玉ねぎ 1/2個
- にんじん 1/3個
- パン粉 適量
- 卵 1個
- おろしにんにく 1欠片
- 酒 少々
- 塩コショウ 少々
- 小麦粉 適量
ソースはお好みで手作りしても市販のものでも可
- 玉ねぎ、にんじんをみじん切りにする(にんじんはすりおろしても可)
- ボウルに玉ねぎ、にんじん、合いびき肉、ニンニク、卵、酒、塩コショウを入れて、混ぜ合わせる
- タネができたら、片手から片手に軽く投げるようにして空気を抜きながら、程よい大きさの丸い形に形成する(厚みは大体1.5cm程度)
- パン粉をつける際に崩れにくいように、形成したタネは冷蔵庫で30分程度冷やし、小麦粉、溶き卵、パン粉の順に付ける
- 160度程度に熱した油で、焦げないようにひっくり返しながら7~8分程度揚げる(油を少なくしてあげ焼きにしても◎)
- 中まで火が通ったか竹串や楊枝で刺して確認し、火が通っていれば盛り付ける
- お好みのソースをかけて完成
ソースには、オリーブオイル、ウスターソースと一緒に細かく刻んだトマトを煮詰めたソースなどを使用するとさらに回復効果が期待できます。
美肌効果
美肌効果を期待したいなら、豚肉×ヨーグルトを使ったタンドリーポークがお勧めです。
カレーのスパイシーな香りとヨーグルトの酸味の相性がよく、味付けもしっかりとしているのでご飯も進みますね。
前の日に漬け込んでおけばあとは焼くだけなので、時間のない日の時短料理としても最高です。
- トンカツ用肩ロース(少し厚めのもの) 400g
- ヨーグルト 大さじ3杯
- カレー粉 大さじ1杯
- ケチャップ 大さじ1杯
- オリーブオイル 大さじ1杯
- 醤油 小さじ1杯
- すりおろしにんにく 適量
- すりおろししょうが 適量
- 塩コショウ 適量
- 豚肉は食べやすい大きさに切り、柔らかくするためにフォークなどで数か所刺す
- 豚肉以外の材料を混ぜて、ジップロックに豚肉と一緒に入れてよく揉み、一晩漬け込む
- オーブンにクッキングシートを敷き、200℃に予熱しておいたオーブンで15~20分程度じっくり焼く
- 取り出して、火が通ているか竹串等を刺して確認し、レタスなどを敷いた皿に盛り付けて完成
材料を混ぜて漬け込むだけで、美味しくて柔らかいタンドリーポークが出来上がります。しかも美肌効果が期待できるので、ぜひお試しください。
まとめ
今回はお肉と相性の悪い食材や、いい食材について学んできました。食材同士の相性を知ることで体に悪い効果を防げたり、逆に相乗効果を狙えたりするなんて、とても興味深い内容ですよね。
- 牛肉と相性が悪い食材はニラ
- 豚肉と相性が悪い食材はきゅうり・冷たい蕎麦
- 鶏肉と相性が悪い食材は大根
- 相性の良い食材とは相乗効果が期待できる
- 各肉ごとに、相性の良い食材と効果がある
- 疲労回復にお勧めな料理はメンチカツ
- 美肌効果が期待できるお勧め料理はタンドリーポーク
記事内ではメンチカツとタンドリーポークをお勧めしましたが、他にも相性の良い組み合わせはたくさんありますので、ぜひご自身でも工夫してみてくださいね。
何を行うにも健康が第一ですので、自分の体調や具合・体の変化などに常に気を配り、今自分に必要な効果・栄養素を考えて摂取していき、健康維持にも役立てていきましょう。