皆さん豚肉はよく食べますよね。食卓でも外食でも。肉の種類では国内では鶏肉と並んで豚肉がよく食べられてます。なんと1年間で1人10㎏以上消費しているそうです。
しかし、よく似た動物で猪(イノシシ)肉は食べた事はあるでしょうか。こちらは普段の生活ではなかなか口にする事は少ないと思います。私自身も温泉旅館や和食料理店で食べたくらいで、普段食べる機会はほとんどないです。
あまり馴染みのないイノシシ肉ですが、古来より滋養強壮の食材として重宝されてきた歴史があるそうです。
また、今ジビエ料理が注目されてます。地産地消や地域活性化、料理のおしゃれ感も相まって今後益々ブームになりそうです。イノシシ肉はジビエ料理でよく使われてます。
そんな最近注目されているイノシシ肉とメジャーな豚肉。よく似た動物同士ですが、イノシシ肉と豚肉はいろんな面で違いがあるようです。
この記事では、イノシシ肉と豚肉の違いを比較してみます。
今注目のイノシシ肉を食べるきっかけに、又よく食べている豚肉の特徴を知って頂けると嬉しいです。
イノシシ肉と豚肉の4つの違い
その昔、イノシシを家畜として飼育していく中で豚になっていったそうです。元をたどれば同じ動物のイノシシと豚ですが、一体どこが違うのでしょうか。
見た目、味、栄養、価格の4つの切り口で比較してみました。
1、見た目
■イノシシ肉
イノシシ肉は豚肉に比べ深い赤色です。猪は野山を駆け巡り運動しているから筋肉が発達し、赤身の色が深くなってます。
■豚肉
豚肉はイノシシ肉に比べ鮮やかなピンク色です。部位や豚の加齢等によって色は多少変わります。このピンク色は鮮度の目安になります。鮮度が落ちると酸化し暗い色に変化します。購入する際や調理前にチェックしましょう。
2、味
元をたどれば同じ動物なので味自体は似ています。部位によって味は多少変わりますが。豚肉の味は他の肉、例えば牛肉に比べてさっぱりした味わい。具体的には丼メニューで比較すれば分かりやすいと思います。牛丼に比べ豚丼はさっぱりあっさりした味わいですよね。
そしてイノシシ肉は豚肉に比べ、筋肉が発達しているので食感は固め。また味わいは濃厚です。
#新見 味の庄 伯備
猪スタミナ定食猪肉と野菜の鉄板焼きを辛味噌ダレでいただく。しっかり食べ応えありつつも硬くなく、ジビエならではの味の濃さがありつつも臭みはない。脂身もしつこくなく美味しい猪肉でした。川魚やピオニーポーク等、他にも魅力的なメニューが多く迷ってしまう。。。#RY飯 pic.twitter.com/NKv895fM4O
— RY (@st_memoRYes) December 30, 2021
イノシシ肉は豚肉に比べ独特の風味、臭みがあります。処理方法や個体差にもよるようです。肉質が良くで正しく処理された猪肉には臭みはございません。
3、栄養
栄養面では、イノシシ肉と豚肉ではどのような違いがあるのか比較してみました。尚、より参考になるよう牛肉のデータも入れてます。
出典元のデータベースですが、豚肉・牛肉は部位毎のデータのみあるのでバラで統一。尚、イノシシ肉の部位別のデータは無く、個体全体のデータになる事をご了解くださいね。
【イノシシ肉】
ダントツで高たんぱく低脂肪、低カロリーです。イノシシ肉&豚肉は牛肉に比べ低脂肪ですが、イノシシ肉はより低脂肪だという事が分かります。またビタミンB群も多く含みます。ビタミンB群は身体の調子を整える重要な栄養素です。美と健康を気遣われている方にはもってこいの食材ですね。
【豚肉】
低コレステロール・高不飽和脂肪酸です。ビタミンB1と葉酸は猪肉より多いです。葉酸は特に胎児の成長必要な栄養素。コレストロールを気にされている方に、妊娠中の女性のたんぱく源に豚肉はマッチしています。
4、価格
町のスーパーでは、部位・グレードにもよりますが豚肉は100g当たり100円程度~で購入可能です。そのほとんどが大量飼育により、個体差もほぼなく安定して流通されてます。
それに比べイノシシ肉は飼育ではなく、狩猟が主なので生産量が少ないです。また購入に関しては、店頭にはほとんど流通していないので通販が主になります。その分割高になります。
条件を揃える為に、購入方法をお取り寄せにして比較してみましょう。
豚肉は並グレードの商品に関しては100g当たり200円前後~購入できる商品が多いです。
一方イノシシ肉は100g当たり500円前後~、高グレードのものは100g当たり1000円以上するものも珍しくありません。
通販サイトでの一例をご紹介します。
【イノシシ肉】
イノシシ肉のモモブロック(1㎏)7500円。100g当たり750円です。
【豚肉】
豚肉切り落とし(1.5㎏)で2680円。100g当たり約178円です。
ブランドや部位にもよりますが、大量飼育されている豚肉に比べ狩猟で調達されているイノシシ肉は割高と言えるでしょう。
イノシシ肉の調理方法
食卓のメジャー食材の豚肉は、メニューもよく知られているモノが多いですよね。とんかつ、酢豚、鍋材料に角煮等、煮てよし焼いてよしと調理する時も重宝されていると思います。
一方、イノシシ肉のメニューはどんなものがあるのでしょうか。
冒頭でご紹介しましたが、ジビエ料理が今注目されてます。ジビエとはフランス語で「狩猟で得た動物」を指すそうです。ジビエ料理で使われているイノシシ肉はどのような調理法があるのでしょうか。
豚肉に比べ、固く濃厚なイノシシ肉ですが、独特の風味が苦手な人も多いようです。
ご自分で調理する際は、風味を消しやすい煮込み料理にすると良いでしょう。
■イノシシ肉に合う料理
・角煮
豚肉でも角煮は有名なメニューですが、イノシシ肉にも合います。固い肉を柔らかくし、調味料と一緒に煮込む事で臭みも消えます。
1.イノシシ肉を一口大にカット
2.カットした肉を下茹でする
アクはこまめにとる
3.まんべんなく火が通ったら水にさらして締める
4.本茹する
生姜、みりん、醤油、砂糖、酒 を投入
落とし蓋をして熱を通す
5.味見をして味の調整して出来上がり
具体的な調理方法は下の動画を参考にしてみてくださいね。
・牡丹鍋
牡丹鍋とは、イノシシ肉を使った味噌風味の鍋の事です。名の由来は諸説ありますが、その昔「牡丹と唐獅子」という成句から獅子とイノシシの「シシ」を掛けてできたそうです。
1.イノシシ肉、野菜(白菜・大根・ごぼう、人参等)、豆腐等を鍋にセット
2.だし汁を鍋に投入
3.アクを取りながら火の通りをチェック
4.火が通ったら、弱火にして味噌を投入
5.味見をして味の調整して出来上がり
料理酒や薬味を使用し、風味を調整する事がポイントです。又、上質な肉で臭みがない場合はみそではなく、あっさり醤油味にしてもOKです。
具体的な調理方法は下の動画をご参考にしてくださいね。
料理レシピを調査してみると、やはり「角煮」と「牡丹鍋」のが人気です。初めて猪肉を調理される時は、どちらかにチャレンジすると良いでしょう。
まとめ
■味・見た目
- イノシシ肉の色は深い赤。豚肉に比べ運動量が多い為
- 豚肉は薄いピンク色。鮮度の目安にもなる
- 豚肉の味は牛肉他の肉にくらべさっぱりしている
- イノシシ肉は豚肉に比べ食感は固め。又独特の風味がある。但し上質な肉で正しい処理をされている場合は臭みななし
■栄養
- イノシシ肉は豚肉に比べ、高たんぱく低脂肪低カロリー、ビタミンB群が豊富
- 豚肉はイノシシ肉に比べ低コレステロール
イノシシ肉はダイエットや美容に、豚肉はコレストロール対策に効果が期待できるといわれている
総じて、イノシシ肉&豚肉グループは総じて高たんぱく低脂肪、そしてビタミンB群が豊富
■価格
- イノシシ肉は100gあたり500円前後~、高いものは100g当たり1000円を超える。豚肉に比べ割高
- 豚肉は部位にもよるが、通販の場合は100g当たり170円前後~
■メニュー
・豚肉:とんかつ、酢豚、鍋材料に角煮等、煮てよし焼いてよし
・イノシシ肉:臭みを消すためにも煮込み料理が向いている。牡丹鍋、角煮等
馴染みのある豚肉は意外にヘルシーである事が分かりました。
又、イノシシ肉はなんとなくハードルが高い食材だと思ってましたが、更に栄養豊富なんですね。
ネットで探せば、リーズナブルな商品もあるので、そこから食生活に取り入れていきたいですね。