皆さんは鶏肉の脂にどんなイメージを持っていますか。
「脂=避けるべきもの」という印象を持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、鶏の脂は”健康に良い”とされているのだそう。
今回私は、鶏の脂を集めて精製した油脂、鶏油(チーユ)に着目してみました。
不純物を取り除いた状態の油脂なので、鶏肉の脂を直接的に知ることができると思ったからです。
実は、鶏油は私たちの食生活にも深くかかわっている脂なんですよ。
馴染みのない名前なので「初めて聞いた」という方もいるかもしれませんね。
実際私も、鶏油について調べるまで詳しく知りませんでした。
体にいい脂なら積極的に摂取したいですよね。
しかし反面”鶏の脂(鶏油)は体に悪い”と思っている人も多いよう。
実際はどうなのか気になりませんか。
今回は鶏油は健康に良いのか、栄養素と健康効果についてご紹介します。
鶏油を正しく理解して、上手に取り入れてみましょう。
鶏肉の脂”鶏油(チーユ)”は健康に良い!?適度な摂取が大切!
鶏肉の脂「鶏油(チーユ)」はなぜ健康に良いとされているのでしょうか。
実は、鶏の脂には牛や豚と比べてコレステロール値を下げると言われる不飽和脂肪酸が多く含まれています。
また、他の動物性脂肪と比べてもコレステロールが少ないのが特徴です。
更に健康効果のある栄養素も豊富に含まれているとされています。
そのため、鶏油を摂取すれば健康につながるとされているのです。
鶏油が体に悪いと言われる理由は?
では”鶏油は体に良くない”と思っている人が多い理由は何なのでしょうか。
確かに、何となく脂は避けた方がいいというイメージってありますよね。
SNSでもこのようなコメントが多く見られました。
鶏油、身体に悪いけど美味しいんですよ。身体に悪いけど。
— ローニン (@shitaimodoki) March 24, 2017
鶏油は身体に悪いことで有名
— 枯木 (@GREAT__MEZU) September 17, 2016
鶏油は99.8%が脂質です。
身体に良いとされる不飽和脂肪酸が多い鶏油ですが、全体の30%程度は摂りすぎると良くないと言われる飽和脂肪酸でできています。
この飽和脂肪酸を摂取しすぎると、血中の総コレステロールを上昇させ、循環器の疾患リスクを上げるとされているのです。
なのでこの飽和脂肪酸によって、鶏油は健康に悪いと言われるようになったのではないかと推測されます。
鶏油は適度に取れば健康につながり、摂りすぎると健康を損ねる可能性があるのです。
★ちなみに脂質の理想的な摂取量は総エネルギーの20%~25%、成人で1日約50g(大さじ4~5)程度が目安とされています。
※これは、調理に使われる油脂と食品に含まれる脂質を合わせた量です。
鶏油で体を元気に!栄養素と3つの健康効果とは
ここからは、鶏油(チーユ)を摂取する事による健康効果3つと栄養素について紹介します。
1.記憶力を高める
鶏油にはコリンという記憶力を高める栄養素が含まれています。
コリンは、記憶や学習に大きく関わっている神経伝達物質”アセチルコリン”の素となる栄養素です。
アセチルコリンの濃度によって記憶力や脳機能にも差が出るといわれています。
認知症の大半を占める、アルツハイマー型認知症の原因もアセチルコリンの減少が影響しているとされているのだそう。
そのため、コリンは記憶形成を助けるのにとても大事な栄養素なのです。
2.肝機能の向上
記憶力の向上にはコリンが良いと上記でお話ししましたが、肝機能の向上にも効果的な栄養素とされています。
コリンには肝臓での脂質代謝を助ける働きがあり、肝臓に脂肪が溜まる事で起こる”脂肪肝の予防”には最適な栄養素なんだとか。
適度に摂取することで、肝機能の向上や肝硬変のリスクを下げることにもつながります。
また、肝臓内の善玉コレステロールも増やしてくれるのだそう。
初めて聞きましたが、とっても頼もしい栄養素ですね!
★コリンは大豆や卵黄などにも多く含まれています。
鶏油だけでなく、バランス良く食材を取り入れながら栄養を摂取してみましょう。
3.動脈硬化予防
鶏油にはビタミンE やセレンという動脈硬化予防に効果のある栄養素も含まれています。
ビタミンEやセレンには強い抗酸化作用があり、体内にある脂質の酸化を防いでくれるのだとか。
その働きによって、血液中の悪玉コレステロールの酸化から引き起こされる動脈硬化や細胞膜の老化も予防してくれます。
生活習慣病や老化防止にも効果的な栄養素なので、鶏油は積極的に取り入れたい脂ですよね。
しかし、上記でもお伝えしたように摂取量には十分気をつけましょう。
鶏油は脂なので、カロリーが非常に高いです。
また悪玉コレステロールや中性脂肪を増やす飽和脂肪酸も同様に含まれているため過剰に摂取すると逆効果になってしまいます。
更にセレンは一般的な食生活であれば全く問題ありませんが、※慢性的に過剰摂取し続けると嘔吐や下痢、頭痛、しびれ、脱毛などの症状が出る可能性があります。
十分注意しましょう。
万能調味料チー油とは?
そもそも鶏油(チーユ)とは何なのか詳しく見てみましょう。
なかなか馴染みのない名前なので、知らない方も多いはず。
しかし、私たちが普段食べているラーメンのスープや中華料理など、身近な食べ物にもよく使用されているものなんですよ。
鶏油とは鶏肉の脂肪部分を加熱して抽出し、精製した油脂のことをいいます。
中には肉の臭みや風味をアップするために、ネギなどの香味野菜が加えられることもあります。
風味や味に深みを加えるので、どんな料理にも合う万能調味料としても活用されています。
自宅で作ることも可能ですが、作るのが面倒だなと感じる方はスーパーやネットでも購入可能ですよ。
飲んでみた😗
…じゃねえよ😇
業務用スーパーで鶏油を見つけて購入。
自分でも作れるんだけど、けっこう面倒なので買ったほうが早い😛
でも売ってるところはけっこう少ないのよ。
ラーメンのほか中華全般の仕上げに使えて重宝する。
開封後は要冷蔵。
入れ過ぎには注意してね😜#鶏油 pic.twitter.com/5xAUHza5MA
— タカビゴン (@GreekandLatin) July 12, 2021
富士 鶏油 700g ¥1,595税込(2021年現在)
鶏油ではなく、食べて鶏の脂の栄養を摂取したい場合は、鶏皮やぼんじり、鶏レバーなど脂肪分の多い部位からも摂取することができます。
その場合は、焼き鳥にすると栄養を逃すことなく取り入れられますよ。
ただ、美味しい鶏皮も食べすぎは禁物です..。
チーユは家でも作れる!作り方や保存方法
市販の物でもいいけど、添加物が気になる方や手作りが良いという方のために、鶏油の作り方や保存方法をご紹介します。
材料はたったの2つで簡単なので是非作ってみてください。
「鶏油の作り方」
材料(2人分)
・鶏皮300g |
①鶏皮を一口大に切る
鶏皮は一口大に切りましょう。
鶏油を作り終わった際に、鶏皮を小さく切っておけば火の通りも早く、調理にも使いやすいのでおすすめです。
もし時間がないという方はそのままでもOK。
冷凍の鶏皮を使う場合は、油が飛び散る可能性があるので解凍してから、キッチンペーパーなどでしっかり水気を抑えておきましょう。
②ネギは4センチ程度に切る
ネギも洗ってから水気をしっかり取り、4センチ程度に切り分けます。
③鶏皮を焼く
鶏皮をフライパンで焼いていきます。
この時、油は引かず焼き色が付くまでじっくり焼きましょう。
弱火で15分~20分加熱していくと油がたくさん出てきますよ。
長ネギを加えて、更に弱火で5分~10分加熱します。
風味が損なわれるので焦がさないように気をつけましょう。
④鶏皮とネギを取り出したら完成
鶏皮とネギを取り出したら、ザルなどで不純物を取り除き完成です。
★鶏皮とネギはキッチンペーパーで油を拭き取り、塩コショウをかければ”鶏皮せんべい”として美味しく食べれます。
とっても簡単にできてしまいます!
SNSではレンジで簡単に鶏油を作っている方も多く見られました。
是非自分に合った方法で作ってみてください。
鶏油🐔
家庭で鶏油採るなら、市販の鶏皮(ボンジリ入れても👌)
を買ってきて、レンチンでOK300Wで20分~25分(レンジの性能で異なる)かな🤗
炒め揚げるより失敗なく、焦げ臭さもないので楽
ラーメン(インスタントに入れても👌)に入れたり、ネギを焼いたり、チャーハンに使っても👍️👌 pic.twitter.com/660LDpkWFF
— ヒロ (@panchi1965) December 8, 2020
手作り鶏油の保存方法
手作りの鶏油は冷蔵庫であれば長期保存することが可能です。
あらかじめ煮沸消毒(しゃふつしょうどく)した密閉容器や瓶に入れて冷蔵保存すれば、3週間~4週間は日持ちがするといわれています。
しかし、冷蔵庫で保存すると白い固形になってしまうので液体で使用したいという方には常温保存がおすすめ。
常温保存は1週間ほど保存する事ができます。
保存期間を最大限に発揮するためには清潔な保存容器を使う事が大切です。取り出す時もキレイなスプーンを使うようにしましょう。
また、風味は時間と共に徐々に落ちてしまうので期間にかかわらず早めに消費してくださいね。
まとめ
今回は鶏油は健康にいいのか、栄養素と健康効果についてご紹介してきました。
「鶏油(チーユ)は健康に良いのか」
・適度が大事
・体に悪いといわれる理由
「鶏油による健康効果3つと栄養素」
1.記憶力を高める
2.肝機能の向上
3.動脈硬化の予防
「チー油とは」
・鶏肉の脂を加熱して抽出し、精製した油脂
・鶏皮など脂肪分の多い部位に豊富
「チーユは自宅で作れる」
・作り方
・保存方法
実は、私は脂と健康がなかなか結び付きませんでした。
それは脂に良いイメージがなかったからです。
しかし、鶏油を調べていくうちに適度に油を取り入れることで健康につながるということが分かりました。
もちろん脂なので摂取しすぎると逆に健康を損ねてしまう可能性があります。
適度というのはとても難しいですが、旨み調味料としても活用できる鶏油は料理の幅も広げてくれるはず。
また、健康効果も感じられたら嬉しいですよね。
健康にはバランスの良い食事が基本ですが、正しく鶏油を理解して上手に取り入れてみましょう。