こんな経験はありませんか。買ったばかりの牛肉が鮮やかな赤色ではなく黒や茶色に変色している。
私も子供の頃に買ったばかりの牛肉が変色しているのを見て「これ腐ってる。」と母に言った記憶があります。しかし必ずしも変色しているのが腐っているというわけではないのです。
ではどうやって食べられる牛肉を見分けるのか。また、購入から時間が経過して変色した牛肉は大丈夫なのか。
この記事ではそういった皆様の疑問、牛肉が変色する理由と食べられるか見分ける方法をご紹介しています。さらに、牛肉が傷みづらい保存方法もありますので是非ご覧ください。
牛肉が腐る時の色は○○?見分けるポイント3つ
牛肉は赤色ではないからと言って必ずしも腐っているわけではありません。まだ食べれるのに捨ててしまってはもったいないので正しく判断しましょう。
これから見分けるポイントを3つご紹介致しますので、参考にしていただければと思います。
消費期限を確認
消費期限とは簡単に言うと「安全に食べられる期限」になります。この期限を過ぎてしまうと腐敗が進んで食べられなくなってしまうというわけです。
まずは最初にこの消費期限が過ぎてしまっていないか確認してみて下さい。消費期限が過ぎておらず、冷蔵保存されていた物であれば安全であると考えてよいでしょう。
消費期限は通常、本来よりも少し早めに設定されている事が多いため、1日過ぎたくらいであれば安全に食べることができる可能性があります。
色、見た目、匂い、手触りが問題ないか確認してみてください。
色と見た目を確認
牛肉は色で鮮度の判断が可能です。匂い、手触りも合わせて確認することでさらに精度が上がります。
- 買ったばかりの牛肉が、灰色、黒色
- 時間が経過して赤から茶色に変色
- 時間が経過して赤色から緑、青色に変色
- 脂身の部分が黄色、茶色に変色
- 買ったばかりの肉が、灰色、黒色
買ったばかりの牛肉が灰色、黒色の場合は新鮮な可能性が高いです。新鮮な牛肉は暗い赤色や灰色っぽい色で、これが酸素に触れることで赤く変化します。
パックなどから取り出して30分くらい空気に触れさせると綺麗な赤色になるはずです。赤くならない場合は牛肉が傷んでいる可能性があるため注意が必要となります。
- 時間が経過して赤から茶色に変色
時間が経過して鮮度が落ちていると思われます。まだ食べられる可能性があるので、匂い、手触りを確認してみましょう。
- 時間が経過して緑、青色に変色
かなり時間が経過して腐っている可能性が高いです。カビが生えている可能性もあり、青や緑になって見えます。
腐敗臭がして手で触ると糸を引いたりネバネバしていることも。こうなっていると食べられませんので、もったいなくても捨ててください。
- 脂身の部分が黄色、茶色に変色
時間が経過して腐っている可能性が高いです。雑菌なども繁殖しているので食べないようにしてください。
匂いと手触りを確認
匂いと手触りも重要な判断材料です。割とハッキリとわかるものなので簡単に見分けがつくと思います。
- 酸っぱい臭いがする
- アンモニア臭がする
- ぬめりがある
- ネバネバしている
- 触ると糸を引く
これらは全て腐っているサインです。臭いも酷く、すぐに分かると思います。
たとえキレイな赤色であってもヌルヌル、ネバネバ、糸を引くなどは確実に腐っていますので絶対に食べずに捨ててください。
アドバイス
腐っているかどうかの判断は色はもちろんですが、どちらかと言えば色よりも匂いと手触りが重要です。
購入したばかりの牛肉で消費期限を迎えていないのであれば色に対してそこまで神経質になる必要はないと思います。匂いと手触りに異変がなければ安全と覚えておきましょう。
腐っている場合は食べない
当たり前のことかもしれませんが腐っている場合は洗っても焼いても煮ても食べられません。熱を通せば大丈夫と思っている方もいるかもしれませんが、危険ですので絶対にやめましょう。
食べても変な味がして美味しくないです。また、気づかずに調理してしまった場合でも口に含んだらすぐに異変に気付くはずですので、すぐに吐き出して捨ててください。
牛肉が腐りにくい保存方法
牛肉は空気に触れて時間が経つにつれて酸化、腐敗が進みます。なるべく空気に触れる部分を少なくして保存するのがポイントです。
ここでは冷蔵と冷凍の二種類の保存方法を紹介しています。
- 冷蔵庫での保存手順
- パックから取り出して水分をキッチンペーパーなどで拭き取ります。
- 小分け、もしくは個別にしてラップに包みます。
- ジップロックなどの保存用の袋に入れて空気を抜いて密閉します。
- 上に物を載せないようにして冷蔵庫、チルド室で保存します。
冷蔵庫で保存することも可能ですが、できれば温度変化の少ないチルド室で保存することをオススメします。扉の開閉による温度変化が少ないため、その方が長持ちするのです。
保存してから2~3日以内を目安に食べるようにしましょう。
- 冷凍庫での保存手順
- 新鮮な状態の牛肉をキッチンペーパーで水分を拭き取ります。
- なるべく薄く平になるようにラップに包みます。
- ジップロックなどの保存用の袋に入れて空気を抜いて密閉します。
- 金属のトレーなどの上に載せて冷凍庫で保存します。
ラップで包む際に薄く平になるようにしたのは急速冷凍の方がよいためです。同じ理由で金属のトレーの上に載せる事でより早く冷凍が進みます。
常温で解凍すると菌が活性化してしまう可能性があるので、時間はかかりますが、冷蔵庫での解凍をオススメします。
保存可能期間は10日から20日程度。保存期間が長い程味は落ちていきますので、なるべく早めに消費してしまいましょう。
牛肉が変色する原因と理由
牛肉の変色には科学的な要素が関係しています。主に色素タンパク質の変化がその原因になっているようです。これから順番にご説明いたします。
- 購入したばかりの牛肉が黒っぽい色をしている
記事の前半でも少し触れましたが、牛肉は新鮮なもの程灰色だったり黒みがかった赤色をしています。空気に触れて酸化が進むことによって赤く発色して鮮やかな色になるのです。
これはミオグロビンというタンパク質が、空気中の酸素と結合しオキシミオグロビンとなり赤色に発色していることが原因です。
- 赤から茶色に変色している
オキシミオグロビンはさらに酸化が進むと茶色に変色します。これはさらに酸化が進んだという証拠で、必ずしも腐っているというわけではありません。
ただ鮮度が落ちているというのは間違いありません。酸化が進むほど時間が経っているわけですから。
ちなみにオキシミオグロビンは茶色くなるほど酸化が進むとメトミオグロビンに変化します。
- 緑、青、黄色に変色
さらに時間が経過した場合、緑や黄色、青と言った少々毒々しい色に変わってきます。この状態は菌が繁殖してミオグロビンがスルフォミオグロビンへ変化した状態です。
- ミオグロビン 灰色、暗い赤色 一番鮮度が高い状態
- オキシミオグロビン 綺麗な赤色 鮮度が高い状態
- メトミオグロビン 茶色みがかった赤色 鮮度が少し落ちた状態
- スルフォミオグロビン 緑色と茶色に変色 腐敗が進み腐っている
このように色素タンパク質の変化により牛肉の色は変わっていきます。3のメトミオグロビンはまだ食べられる可能性がはりますが4はもう食べることはできません。2段階がスーパーに並んでいる状態のものになります。
まとめ
- 牛肉は消費期限、色、匂い、手触りで食べれるかどうが判断できる。
- 保存方法は冷蔵、冷凍の二種類の保存方法がある。
- 肉が変色する原因は色素タンパク質が関係していた。
さいごに
牛肉は新鮮なうちに食べてしまうことが一番ですね。もし調理しきれな程の量を誰かに貰ったなどの場合は保存するのがよいでしょうが、やはり大量消費できる料理で食べてしまうのもいいですね。
しゃぶしゃぶ、焼き肉、牛丼、ハンバーグなどは一度に大量に消費できるのでオススメです。
知識を正しく活用して安全に牛肉を食べましょう。
以上となります。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。