美味しく栄養価も高い鶏肉は、お値段的に家計にも優しいので、主婦にとっては大事な食材ですね。
スーパーで安売りしていると、つい多めに買ってしまいます。
実は鶏肉は、保存方法や調理方法によって危険な場合があります。
ここでは鶏肉の正しい保存方法はもちろん、どうすると危険なのか、どうしたら安全に美味しく食べられるのかを詳しくお伝えします。
鶏肉を常温保存するのは危険!?
鶏肉は生で食べてはいけないイメージがあると思いますが、常温保存するとどうなるのでしょう。
まずは、常温保存の定義を理解しましょう。
常温保存の定義は、冷蔵庫に入れていない限りは全て常温の場所と言えます。
では、クーラーが効いている部屋や、クーラーがなくて直射日光が当たる部屋は常温といえるでしょうか。
食品衛生法などで定められている常温の定義は、15℃~25℃と温度が一定で直射日光が当たらず、外気温を超えない室温となっています。
15℃~25℃とかなり温度の範囲が広いので分かりにくいですね。
ここでは鶏肉を安全に食べるために、冷蔵庫に入れていない鶏肉は全て常温保存ということでお伝えしていきますね。
鶏肉を常温保存すると危険なのは何故?
鶏肉は鮮度に関係なく、食中毒菌や寄生虫が付着しています。
食中毒菌 | 寄生虫 |
カンピロバクター | マンソン裂頭条虫 |
サルモネラ菌 | ブタ回虫 |
リステリア | |
モノサイドゲネス |
これらの菌が体内で増殖すると、腹痛、下痢、発熱などの症状を引き起こす食中毒になりますので、
注意する必要があります。
いずれも、温かい場所、酸素の多い場所であるほど増殖しやすいので、常温保存は絶対しないことが大事です。
食中毒を防ぐためにはどんなことに注意する?
食中毒を防ぐためには常温保存しないことが大事ですが、どんなことに気を付ければいいでしょうか。
- 鶏肉自体の温度を上げないために、必ず冷蔵庫で保存する
- 調理する際には、中心まで確実に加熱する
- 生の鶏肉や鶏肉の汁に触れた手指、調理器具などはすぐに洗う
更に夏など温度の高い時期には、スーパーで買って持ち帰る際に冷やせると安心です。
温度が高くなり易い車中などに放置したり、炎天下の中長時間持ち歩いたりすると危険なので、充分に注意が必要です。
鶏肉を調理する前のNG行為は?
- 調理前に鶏肉を常温に戻すために、冷蔵庫から出して常温で何時間も放置する
- 冷凍した鶏肉を解凍するため、一晩中常温で放置する
これらは、とても危険です。
どのようにすると安全なのかは、後ほどお伝えしますね。
傷んだ鶏肉の見分け方
保存方法も大事ですが、鶏肉が傷んでいるかどうか見分けられることも重要でです。
安全に食べれるかどうか、判断できるようにしましょう。
まずは見た目やにおいで判断しましょう。
- 灰色っぽく変色していないか
- 触ると粘りがあるか
- 表面が白くなっていないか
- ドリップにとろみがあるか
- カビがないか
- すっぱい臭いがしないか
- 気持ちが悪くなるような臭いがしないか
この状態で調理を行うと、酸っぱい味がしたり、ムカムカするような味がします。
一度腐ってしまうと、たとえ加熱しても臭みや味は変わりません。
無理して食べると、食中毒になる可能性が高いです。
怪しいと感じたら、潔くあきらめて食べないことを選択してください。
新鮮な鶏肉の見分け方は?
見た目で判断する場合
- 透明感がある
- ピンク色をしている
状態で判断する
- ハリがある
- ふっくらしている
- 鶏皮に細かいしわがある
この状態が新鮮だと言えます。
では鶏肉はどれくらい持つのでしょうか。
鶏肉を安全に食べるための期間はどれくらい?
鶏肉を安全に食べるための、保存期間をまとめてみました。
鶏肉 | 安全な期間 | |
調理前 | ミンチ | 当日 |
ささみ | 1日 | |
モモ肉 むね肉 |
3日 | |
調理後 | 漬け込み | 3日~1週間 |
唐揚げ | 2~3日 | |
鍋の具 | 2~3日 | |
煮物 (カレー・筑煮) |
2~3日 |
これは全て冷蔵庫に入れた場合です。
鶏肉の消費期限が過ぎても食べれる?
スーパーで売っている鶏肉には、パックに消費期限が書かれていることが多いですね。
冷凍や真空パックで売っているものには、賞味期限が書かれていたりします。
賞味期限の場合は期限が切れても、食べてしまっている人が多いと思います。
ここで正しい意味をおさらいしましょう。
- 消費期限とは・・・安全に食べれる期限
- 賞味期限とは・・・美味しく食べられる期限
※どちらも未開封で、保存方法を守っている場合です。
消費期限は期限が切れたら食べない方がいいです。
賞味期限に関しては「保存方法を守った場合」なので、季節は保存環境によっては必ずしもその通りではない可能性もあります。
一番安全なのは、新鮮なものをすぐに食べることです。
鶏肉には食中毒菌や寄生虫の心配があるので、新鮮でも消費期限内でもしっかり中まで加熱することを必ず守ってください。
とり肉を上手に保存する方法は?
出来るだけ安全に、美味しく保存するにはコツがいります。
では、鶏肉を冷蔵保存するとどれくらい持つでしょうか。
生でも調理後でも、冷凍した場合は2週間から1カ月ほど持つと言われています。
1カ月以上冷凍保存すると、冷凍焼けや臭い移りなどで風味が落ちてしまいます。
冷凍庫に入れたら、日付を管理することも大事ですね。
生の鶏肉を保存するにはまず、ドリップ(肉汁や水分)が出ていなければパックのまま冷蔵庫に入れてOKです。
ドリップがあるの方法は次の方法で行ってください。
- パックから出してドリップを拭く
- ラップでつつむ
- ジップ付きの保存袋に入れる
- 空気を抜いて密閉する
そして冷凍した場合の解凍するコツは、調理する前日に冷蔵庫に移動し低温で自然解凍することが大事です。
常温で解凍することはやめましょう。
電子レンジで行う場合は、レンジの機能によっては均等に解凍できなかったり、解凍しすぎてしまったりしますよね。
そうならないためには、短い時間で設定して少しずつ様子を見ながら解凍しましょう。
冷凍した鶏肉を解凍したらどれくらいもつ?
冷凍した鶏肉を解凍したら、1日~2日くらいもつでしょう。
食中毒菌や寄生虫は冷凍庫の中で活動を停止しますが、死滅するわけではありません。
解凍して温度が上がってくることで、また活動を始めます。
解凍したら、早く食べることが大事です。
では冷凍保存する場合のコツはというと、ドリップが出ていなくても、パックから出して保存します。
保存の仕方は冷蔵保存のパックから出す場合の方法と同じに行ってください。
※一度解凍したら、再冷凍すると味が落ちます。予め冷凍する前に程よい量に分けてから冷凍するといいですね。
調理した鶏肉を冷蔵保存するコツ
すでに調理した鶏肉を冷蔵保存してから食べるまでの大事なポイントをまとめました。
- 料理が完成したら、なるべく早く荒熱をとる
- 清潔な容器に入れて、冷蔵庫に入れる
- 食べる時に容器から出すときは、清潔な箸やスプーンを使う
- 容器のフタについている水気を拭きとる
- 余った分はすぐに冷蔵庫へ戻す
このポイントを守って安全に食べれるようにしましょう。
鶏肉は一度加熱していても常温放置はしない方がいい?
一度しっかり火を通した鶏肉でも、常温保存するとウェルシュ菌が増加して危険な場合があります。
ウェルシュ菌とは自然界のどこにでもいる菌です。
酸素がないところで増殖し、熱に強いので肉や水の中で増える可能性があります。
この菌はカレーやシチュー、豚汁などで発生しやすいです。
例え加熱した料理でも油断せず、すぐに冷蔵保存して安全に食べれるよう心掛けてください。
まとめ
鶏肉には食中毒菌や寄生虫が付着しているので、常温保存は危険です。
調理前でも調理後でも必ず冷蔵保存することが大事です。
そして、調理する時は必ず中まで火を通しましょう。
家庭の食卓に登場することが多いみんなが大好きな鶏肉ですが、保存方法を誤ると危険がいっぱいです。
是非この方法を守って、家族の健康を守ってくださいね。