皆さんは「鶏肉の中が少し赤いな」と感じた経験はありますか。
私は料理をしていると度々あるのですが、「しっかりと焼いたのに」という時には判断に迷うことがあります。
鶏肉は生焼けだった場合、食中毒も心配ですよね。
今回は、鶏肉が少し赤くなる原因やチェックポイントをご紹介していきます。
大丈夫なものなのかそうでないのか”これはどっち”と迷っている人の判断材料になれば嬉しいです。
また生焼けを防ぐには、調理時のちょっとしたコツが大切だったりします。
是非実践して、赤みを気にせず鶏肉を楽しみましょう。
鶏肉が少し赤いと感じる原因はこの2つかも!?
ここからは鶏肉が少し赤いと感じる原因2つを紹介します。
なんと鶏肉が赤くなる原因は生焼けだけではないのです。
もし十分に加熱しているのに赤いという場合は、これらの原因が関係しているかもしれません。
1.赤い原因は骨髄液(こつずいえき)かも!
ローストチキン買ってきて食べてたんだけどなんかとても赤い部分が…これ大丈夫かな…w
— 葉嘉 (@youka415) December 24, 2021
十分加熱しても、中身が少し赤いと感じる場合は骨髄液(こつずいえき)と呼ばれるものかもしれません。
骨付きの鶏肉に良く見られますが、加熱すると骨表面の穴から骨髄液が染み出てくる場合があります。
★骨髄液とは骨の中心部(骨髄)から出る液で、血液を作るもとです。
血液と比べて変色しにくいため、しっかりと加熱しても赤色が残ってしまうことが多くあるようです。
特に骨の部分が赤い場合は骨髄液である可能性が高いでしょう。
ちなみに骨髄液は食べても問題ないです。
コラーゲンや旨み成分も多く含まれているそうなので、美味しくいただきましょう。
※加熱された鶏肉には茶色や黒っぽい塊が見られることがありますが、骨髄液や血液が加熱によって固まったものとされています。
いずれも食べても全く問題ないですよ。
2.薄いピンク色はミオグロビンが関係している?
鶏もも肉の加熱具合を見るのって難易度高くないですか。加熱してもピンクとかなんなのよ。わかりやすく白くなってくれよ。
— くぇくぁ (@qeqa_514) July 20, 2019
鶏ハムなど”薄くピンク”に見えるなんてことありませんか。
実は十分加熱された状態でもピンク色になることがあるのです。
それは、鶏肉に含まれるミオグロビンという成分が関係しています。
★ミオグロビンは肉類の赤身に含まれる色素タンパク質で、通常加熱すると茶色や褐色に変化していきます。
しかし、生玉ねぎやキャベツなどの野菜に含まれる硝酸塩(しょうさんえん)に触れると、ミオグロビンと反応しピンクや赤に変色する現象が起こるのだとか。
ハンバーグやロールキャベツなどでこのような発色が起きた場合、玉ねぎが影響していることがほとんどなのだそう。
野菜にそんな発色作用があるなんてびっくりですね。
また、加熱しても色が変化しない耐熱性のミオグロビンも発見されているのだとか。
なぜそうなるのかはまだ解明されていないそうですが、もし、十分加熱しても”なんかピンクっぽい”という場合はその可能性が高いかもしれません。
いずれにしても加熱が十分であれば食べても問題ありません。
鶏肉の生焼けは要注意?
鶏肉が”少し赤い”だけなら気にせず食べてしまう方もいるかもしれません。
しかし生焼けを食べるには注意が必要です。
なぜ気をつけた方がよいのでしょうか。
食中毒の可能性
鶏肉を食べる上で一番気になるのが食中毒です。
加熱が不十分な鶏肉を食べるとカンピロバクターやサルモネラ菌による食中毒を引き起こす可能性があります。
感染すると腹痛や嘔吐下痢、発熱や頭痛などの症状が現れるので十分気をつけましょう。
潜伏期間 ★カンピロバクター:2~7日 ★サルモネラ菌:8~48時間 ※感染から食中毒症状が見られる期間です。 |
これらの菌は75℃で、1分以上加熱することで死滅するとされています。
中心部をしっかりと加熱して、食中毒に十分注意しましょう。
鹿児島・宮崎の食文化「鶏刺し」は大丈夫?
突然ですが、皆さんは”鶏刺し”ってご存じですか。
鹿児島や宮崎の一部地域で見られる食文化なのですが、鶏を生の状態で食べるのです。
生焼けでも食中毒の心配があるのに、生で食べるなんて可能なのでしょうか。
しかし”鹿児島や宮崎”の鳥刺しは、食中毒の被害が少ないといわれています。
なぜなら、基本的な衛星管理制度HACCP(ハサップ)の他に県独自の厳しい取り扱い基準が設けられており、それによって徹底管理されているからなのです。
例えば、カンピロバクターは主に内蔵や腸に生息しているのだそう。
そのため、内臓を取り出して洗浄殺菌した後、表面を焼いて殺菌する焼烙(しょうらく)殺菌が行われているのだとか。
独自の厳しい基準で加工・処理されているからこそ生食が可能なのです。
宮崎や鹿児島に行った際は、食べれば独自の食文化を楽しめるかもしれません。
実際、私も頻繁に食べていましたが一度も食中毒になることはありませんでした。
しかし、まれに食中毒の報告もされているようなので気になる方は避けるようにしましょう。
鶏肉がちょっと赤い?ピンク?生焼けのチェックポイント
鶏肉は十分加熱しても、赤やピンク色になってしまう事が分かりました。
そうなると生焼けなのか判断がとても難しいですよね。
ここからは、判断に迷った時のチェックポイントをご紹介します。参考にしてみましょう。
鶏肉の断面を見る
まずは切って断面をチェックしましょう。
鶏肉は加熱すると中心部が赤→ピンク→白と変化していきます。
そのため中心部がピンク色で、外側だけ白い場合は加熱が不十分である可能性があります。
ただ、中心部に限らず全体的にほんのりピンク色をしている場合は、ミオグロビンによる反応と考えられます。
ミオグロビンは80℃で褐色に変化しますが、低温調理など60℃程度の場合ピンク色が残る場合があるのだとか。
中心部の色を確認しながら生焼けか判断してみましょう。
鶏肉から出る肉汁で確認
鶏肉から出る肉汁から判断することもできます。
鶏肉を軽く押したり、竹串や爪楊枝などで刺して肉汁が透明であれば、十分加熱されていると考えていいでしょう。
しかし、肉汁が赤い場合は生焼けかもしれません。再度加熱をしたほうが安全でしょう。
また、肉汁が真っ赤に染まっている場合は血液の可能性が高いです。
同様に再加熱をした方が安心ですよ。
中心部の温度を確かめる
鶏肉の中心温度を確かめる方法も効果的です。
鶏肉で心配されるのは、やはり食中毒ですよね。
しかし、それらを引き起こすとされる菌は中心温度が75℃で、1分以上の加熱をすれば死滅するといわれています。
温度計があれば一番ですが、実際置いてないというご家庭も多いはず。
ここからは、中心温度を手軽に確認できるとされている方法をご紹介します。
■確認方法
1.鶏肉に竹串を10秒程度刺す |
中までしっかり!安心調理のコツを紹介
食べる時は中までしっかり火の通った鶏肉をたべたいですよね。
鶏肉の生焼けは、調理時のコツを試せば簡単に解消することができます。
ちょっとした意識で全然違うので実践してみましょう。
加熱温度に注意する
鶏肉の加熱温度に気をつけましょう。
加熱時の温度が高いと表面に焼き色が付くのも速いので、中心まで火が通っていないことに気づかない場合があります。
弱火から中火でじっくり加熱するか、グリルなど高温調理する場合はアルミホイルで覆うなどの方法を取ることで生焼けを防止できますよ。
また、一度に複数の鶏肉を加熱する場合は大きさを揃えるか、同じサイズの物を選んで調理するといいでしょう。
肉の厚さに気をつける
肉の厚さにも注意しましょう。
厚みがあるとジューシーに仕上がりますし、食べ応えもありますよね。
しかし、厚みがあるということは火も通りにくいです。
焼き目が付いていても中身は生のままなんてことも。
調理の際には小さく切るか、肉の厚みを均等にしておくとムラなく火を通すことができますよ。
調理前に常温にしておく
調理前には常温に戻しておくようにしましょう。
冷蔵庫からそのまま出した状態で調理すると、鶏肉自体の温度が低いまま加熱することになります。
そのため表面は温まっても、中心部は冷たいままなんてことも。
また、中心部を温めるため必然的に加熱時間も長くなるので、出来上がったらパサパサになっているかもしれません。
そんなことにならないためにも、冷蔵保存していたら調理前30分前には冷蔵庫から出しておきましょう。
また、冷凍庫に保存している場合も一度解凍し、冷蔵保存と同様に常温に戻してから使うと生焼けを防ぐことができます。
まとめ
今回は鶏肉が少し赤い理由やチェックポイント、調理のコツをご紹介しました。
2.ミオグロビンの影響
・食中毒の可能性
鶏肉の中身が少し赤いなと感じた時、食中毒の心配もあるし食べていいのか迷いますよね。
でも今回、十分に加熱をしていても赤やピンク色のままの鶏肉もあるということが分かりました。
そうなると色だけで判断するのはとても難しいですが、判断に迷った時は上記でも紹介した”チェックポイント”で是非確認してみてください。
また、火が通りやすいように調理時に気をつけることも大切です。
私も鶏肉を料理する際、適当になっていた部分がありましたが、火の通りやすさを意識して下準備をすることも大切だなと思いました。
もし、それでも心配な方は再加熱をしてみましょう。
ただ、加熱しすぎるとパサパサになってしまう可能性もあるので、様子を見ながらが安心ですよ。
赤みや色味を気にせず鶏肉料理を味わいましょう。