お肉って火を通すと、どうしても硬くなりがちですよね。柔らかく調理する方法は多々ありますが、煮込む方法は長時間火の番をする必要があって大変。
他の漬けこむ方法は必要になる材料が家になくて買いにいく必要があったり、下準備があって面倒。何か簡単な方法はないものか。そんなお悩みを解決できる方法があります。
それが塩水漬けです。これなら普段から家にあるものだけを使って簡単に肉を柔らかジューシーに仕上げることができます。
この記事では塩水の作り方から、他の方法と比較したメリット、デメリットもご紹介しておりますので是非ご覧ください。
ご自宅でジューシーなお肉料理が出てきたら、ご家族もきっと大喜びですよ。
肉を塩水に漬けて柔らかくする方法
お肉は水分が逃げてしまうとパサついて硬く感じます。ですが、塩水に漬けておけば水分を逃がさず、ふっくらジューシーにお肉を調理することができるのです。
塩水の作り方
これから塩水の作り方をご紹介いたします。作り方はとても簡単です。
- 食塩(岩塩などでも代用可)
- 水
水の量に対して3パーセントから5パーセント程度の食塩を加えて、完全に溶けるように混ぜます。たったこれだけで肉漬け用塩水の完成です。
例:水1キログラムに対して塩30グラムから50グラム
アドバイス
濃度は5パーセントを超えないようにすることが無難と思われます。塩分濃度が濃すぎると逆にパサついてしまったり、漬けておく時間によっては肉の塩味が濃くなってしまうのです。
多くの料理に使用可能な汎用性の部分を考慮すると、もっとも適切な塩分量は3パーセントがよいでしょう。逆に少なすぎても効果は薄くなります。
どの種類の肉でも使用可能ですが、鶏肉に使用するのが一般的で効果が出やすいようです。
漬けておく時間
漬けておく時間についてご紹介いたしますので、大体の目安にしていただければと思います。
- 濃度3パーセント2時間程度が目安となる
時間は大体2時間を起点に。実際は肉の種類や大きさによって時間を増やしたり減らしたり調整が必要になってきます。例を挙げるならば、鳥むね肉丸ごとならば2時間。それ以上の大きさのお肉なら半日から一晩といった具合です。
とはいえ、特にこだわりなどもない場合は難しく考えず濃度3パーセント2時間で試すのがよいでしょう。
肉の種類、大きさだけでなく料理の種類も影響してきますので、調理で味付けしてもそこまで濃くならない3パーセントの2時間が妥当というわけです。
こちらの動画で説明している5パーセント3時間、3パーセント半日というように、漬ける時間は料理の種類と肉の種類に合わせて調整してみてください。
漬ける前にフォークで数か所刺して穴をあけておくと効果が出やすくなります。漬ける際はボウルーやタッパーなどを使用して、上からラップをかぶせて冷蔵庫に入れてください。
また、調理する際は常温に戻してから火を通すことで温度にムラがなくなり、ふっくらとした仕上がりになります。水気はキッチンペーパーで軽く拭き取るようようにするのがよいでしょう。
一度使用した塩水は衛生面を考慮して、再利用せずに捨てるようにしてください。
塩水漬けを使用するメリット、デメリット
塩水漬けにはメリットだけでなくデメリットもあるようです。2つまとめてご紹介いたします。
メリット
- ワイン漬けやパイナップル漬けと比較して圧倒的に費用が掛からない
- 家にあるものだけで出来る
- 塩水なので下味を付けることができる
最大のメリットして挙げられるのがまず、費用が殆ど掛からないという点です。使用するのは水と塩なので特に買い足す材料などはありません。
これがワイン玉ねぎ漬けや、パイナップル、キウイ漬けと言った方法とは違う圧倒的利点です。調整する必要はありますが、塩分で下味も付きますので調理に役立てることができます。
デメリット
- 他の方法と比較して柔らかさは少々劣る
- 漬けすぎると塩味が強くなってしまう
- 下味が付くので使用する料理は選ぶ必要がある
十分柔らかくなるのですが、他の方法と比較して柔らかさに関しては少々劣ります。また、漬けすぎれば塩味が濃くなるためトンカツなどソースを使う料理や、から揚げなども漬けすぎには注意が必要です。
そのため使用する際は下味が薄くなるように塩分濃度と時間を調整するか、調理の際の味付けを薄めにする必要が出てきてしまいます。
柔らかくなる2つの理由
塩水はなぜ肉を柔らかくするのか、その理由は肉のタンパク質が関係しています。その仕組みについてご説明いたします。
- 塩水にはタンパク質を溶かす成分が含まれている。
- 保水性が上がり、水分が逃げづらくなる。
- 塩水にはタンパク質を溶かす成分が含まれている
食塩にはタンパク質を溶かす作用があります。熱を加えると凝固するタンパク質が肉の硬さの原因となっているので、それを溶かすことによって肉が硬くなるのを防ぐことができるというわけです。
- 保水性が上がり、水分が逃げづらくなる
保水性が上がることによって過熱の際に逃げてしまう水分が外に出づらくなり、肉の仕上がりがジューシーになります。
肉が硬く感じてしまう原因として水分の含有量も関係してきますので、保水性が上がるという効果は理にかなっていると言えるのです。
保水性が上がるのは筋繊維が破壊されることによって、そこに水分が入り込むことが理由と言われていますが、実際はそうではないという説も見られました。
理由ははっきりとしていませんが、保水性が上がることは間違いないようです。
砂糖を混ぜたブライン液も存在する
先程ご紹介いたしました塩水とは別に砂糖を加えた「ブライン液」というものがあります。使用の用途は塩水と同じくお肉を柔らかくするために使用します。
塩水と違うのは砂糖を加えたことによって、保水性がさらに向上している点。これは砂糖が水分と結合しやすいという性質によるものです。さらに甘味と旨味を感じやすくなっているのが特徴。
実際に使用している方がいらっしゃいました。
ブライン液にひと晩漬けた鶏むね肉に片栗粉をはたいて丸ごと揚げてみました。しっとりして味も染みてるし、おいしい。ただ油淋鶏だと衣にタレを絡めたいから、やっぱり見栄えは落ちるけど切って揚げた方がいいなあ。 pic.twitter.com/WU9Ixy4Bt5
— くりや(おいしい) (@kuriyatakamine) November 24, 2021
塩水とブライン液には劇的な違いがあるわけではなく効果は似ています。これは個人的な意見ですが、塩水を使用するか、ブライン液を使用するかは味付けの好みや料理で使い分けるのが良いのかなと思いました。
砂糖を加えた分、下味に多少変化がありますので好きな方を使うのがよいのかなと思います。
ブライン液についてはこちらの記事でも作り方などを詳しく説明しております。気になった方は是非ご覧になってみてください。
仕事や家事や育児と何かとバタバタしてとってもお疲れのあなたに提案です。 今日の夕飯は鶏の胸肉にしませんか。 鶏…
まとめ
- 塩水で肉を柔らかくするには濃度3パーセント2時間
- 塩水漬けは費用が掛からないが、濃度や漬け時間に注意が必要
- 塩水で肉が柔らかくなるのはタンパク質と保水性が関係していた
- 塩糖水はブライン液と呼ばれ、用途と効果は塩水とほぼ同じ
さいごに
塩水に漬けることによって肉を柔らかくすることができるわけですが、どうしても下味が付いてしまうことは避けられません。
漬ける時間などによっても味の濃さや効果が多少変わってきてしまうため、気になってしまうという方は他の方法を頼るというのも一つの手でしょう。
しかし、なんと言ってもこの塩水漬けの最大のメリットは圧倒的に費用がかからないことです。食塩と水はものすごく安いので簡単に試すことが出来ます。
濃度を調整して自分に合った濃度を見つけるというのもいいかもしれません。
費用が安いこともあって沢山試せることは間違いないですが、食べられないくらい塩味が濃くなってはよくないので、調整するなら薄い濃度からスタートしましょう。
ブライン液を使った方法もありますので色々試してみれば自分の好みに合った方法がきっと見つかるでしょう。
以上となります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。