鯨の肉が給食で食べられているのをご存知でしょうか。
「え?普通じゃないの?」と思う方もいるのではないでしょうか。
実は、鯨のお肉を給食で出す地域があったんだとか。
今回は鯨肉(げいにく/くじらにく)を給食で食べていた地域と捕鯨の関わり、鯨肉の栄養価についてご紹介したいと思います。
鯨肉は給食で定番だった!?︎出されていた地域はどこ?
給食のメニューといえ「鯨の竜田揚げ(琥珀揚げ)」という地域があります。
山口県では1987年(昭和62年)まで、鯨のお肉を使用したメニューが給食で出されていました。
気を取り直して、ゆめタウン半額まつり!
鯨肉の竜田揚げ(給食に出てたのはこはくあげって言ってた)が有るのは流石山口県の西の方ですね。
南蛮漬には瀬戸内レモンが入ってるとかスーパーのお惣菜にも地域色が有ると嬉しいですね(*^^*) pic.twitter.com/7ozcw24pbp— pさん (@p_san0320) April 20, 2021
山口県は鯨肉で有名⁉︎
山口県では鯨肉に懐かしさを感じる人が多いのではないでしょうか。というのも山口県では鯨肉が一般的に食べられていました。昔、商業捕鯨が禁止されるまで捕鯨が盛んに行われていた地域だからです。
お祝い事の席だけでなく日常的に鯨を食べていたそうです。その習慣が山口県の複数の地域で残っており、今でも山口県は鯨肉で有名です。
特に山口県下関市では昔から鯨との関わりが深く、今では鯨料理を扱う専門店や小売店が多く存在します。
下関では古くから鯨を食してきました。明治になると、国十郎氏と山田桃作氏によって長門に日本遠洋漁業株式会社が創設。下関には出張所が設けられます。
戦後にかけても港では沢山の鯨肉が水揚げされ街は栄えました。
現在、下関は市の動物として、鯨をシンボルにしています🐳【ぐりぃん】#殿 #下関市 pic.twitter.com/L2C7jN58HQ— ちょうふ殿 (@chofudono) September 14, 2018
山口県以外でも鯨肉は給食で出されていた!
山口県では鯨肉が有名ですが、実は全国的に鯨肉は食べられていました。
なんと、分かっているだけでも35県ほど。
そのメニューは様々で、「鯨の竜田揚げ」だけでなく、「鯨のソテー」や「くじら汁」、「くじらカツ」など様々な料理で食べられていました。
鯨肉が一時中止されていた⁉︎その理由とは?
給食に出されていたほど、栄養価が高く子供にも人気だった鯨肉ですが、ある時突然給食のメニューから姿を消しました。
日本は1987年に商業捕鯨が禁止されました。その影響で一時的に鯨肉が手に入らなくなったのです。
その後、数年経ち、「調査捕鯨」という形で鯨肉が市場に出回るようになりましたが、その頃には鯨肉よりも安価で鶏肉や豚肉が市場に出回り、反対に鯨肉は高騰、給食のメニューには出なくなりました。
※調査捕鯨とは、鯨の生態を科学的に調査するための捕鯨のこと
今でも調査捕鯨で捕られた鯨肉は農林水産省を通して販売されており、鯨肉を食べることができます。
そうして捕られた鯨肉が給食に出される地域もあるようですが、1987年以前のように多くは出回らなくなりました。
一部ではレストランや給食、小売店で販売されていることもあるようです。
鯨肉が給食で復活?
1987年に禁止されていた商業捕鯨ですが実はそれはIWC(国際捕鯨委員会)という機関が関わっています。その機関に日本は参加していましたが、2019年に脱退します。
それがきっかけで商業捕鯨を再開したのです。
鯨が希少なため商業捕鯨を禁止し守っていこうということでしたが、今では十分、多い種類の鯨もいるということを日本はIWCに主張していました。しかし取り合ってもらえず、脱退という決断に至ったんだとか。
商業捕鯨が再開した今、一度食べることが禁止された鯨の需要を回復するのは難しく、現在の鯨の消費量は国民1人あたりスプーン2杯分の消費に止まっています。
鯨漁が行われている山口県はじめ、和歌山県や宮城県など複数の県から需要を回復させるべく、イベントで鯨肉を提供したり、給食に出したりと鯨肉のPRを続けているのが現状です。
鯨肉は栄養価が高い!
給食で出していたくらいですから、栄養価が高く育ち盛りの子供達には食べてほしい食材です。
ここでは鯨肉の栄養についてご紹介します。
鯨肉は貧血予防になる!
鯨のお肉には「ミオグロビン鉄」が含まれています。このミオグロビン鉄は鉄分の中でも体内に吸収されやすいため効率よく鉄分を摂取できます。
鉄分を吸収できるので貧血の予防になります。
また、ミオグロビン鉄は機能鉄と呼ばれ、筋肉中のタンパク質を構成する重要な役割を担っています。
鯨肉を食べることは貧血の予防とタンパク質の生成に役立つんですね。
鯨肉で持久力UP⁉︎
鯨は休むことなく泳ぎ続けるパワーの持ち主です。
なぜ持久力があるのかというと、鯨には「抗疲労機能」があり、その機能が鯨がずっと泳ぎ続けることができる理由なんだとか。
この持久力や疲労予防に効果があるイミダゾールペプチドの一種、バレニンが人間にも効果があるそうです。
鯨を食べる事で持久力向上が期待できますね。
鯨肉はタンパク質が豊富!
鯨肉は牛肉や豚肉、鶏肉と比べて良質なタンパク質が豊富に含まれています。
良質な栄養を摂取させたい育ち盛りの子供に最適な食べ物なのです。
また、良質なタンパク質はダイエット中にもうれしい栄養です。食べながら綺麗に痩せていくことができるのでダイエット中の食事にもおすすめです。
鯨肉の給食まとめ
今回は鯨肉が給食で出されていた地域と捕鯨の現在についてご紹介しました。
・鯨肉は山口県で有名
・全国的に鯨肉は給食で提供され食べられていた
・商業捕鯨は一度禁止されたが2019年に再開された
・鯨肉は栄養価が高く育ち盛りの子供には嬉しい食材
現在の子供や1987年以降に小学生だった方は鯨肉を食べていない世代も多いかと思います。とても小さく硬いため鶏肉や豚肉、牛肉よりは食べにくいという意見もありますが、味は美味しく癖になる方も多いそうです。
山口県には鯨肉で有名なお店がたくさんあります。ぜひ気になった方は食べてみてくださいね。