皆さんは大切な愛犬に手作りご飯を作ってあげていますか。
ドッグフードが一般的なイメージですが、愛情を込めて野菜やお肉を使ったご飯を作る方もいますよね。
しかし、その過程で牛肉を与えていいのか判断に迷う方も多いようです。
確かに犬の祖先はオオカミだし大丈夫かなと思っても、何かあったら心配ですよね。
更に栄養豊富な牛肉を日々のメニューに取り入れられたら、愛犬達の食事の幅も広がるかもしれません。
犬に牛肉を与えていいのか、また、与える際の注意点についても詳しく解説していきますよ。
ワンちゃん達の毎日の健康のために正しく知識を身につけて、バランスの良い食事を目指しましょう。
牛肉は犬に与えても大丈夫なの?
結論から言うと、犬にとって牛肉は与えても大丈夫な食材です。
牛肉は犬の体を作る上で、重要な栄養素が豊富に含まれているとされています。
またシニア犬(老犬)の健康維持にも効果的なんだとか。
香りや旨みの強い牛肉を日々のメニューに取り入れれば、ワンちゃんの食欲UPも間違いなしですよ。
生の牛肉はダメ?
では、生の牛肉をそのまま犬に与えるのは平気なのでしょうか。
私たち人間は、食中毒などの心配もあるし基本的にお肉は加熱しますよね。
実際、犬に生肉を与えることは可能ではあります。
それは、人間の腸は約8mなのに対して犬の腸は大型犬でも約3mと短めです。
そのため動物性タンパク質を素早く吸収し、生肉の消化吸収を効率的に行うことができるのだとか。
更に、犬の胃酸は強力でほとんどの細菌は殺されてしまうのだそう。
ただ犬もまた人間と同じように、感染症の可能性が少なからずある事から加熱して食べた方が安全とのこと。
代表的な食中毒(カンピロバクター)による感染症を引き起すと以下のような症状が現れます。
〈主な症状〉 ・腹痛 ・嘔吐 ・粘液性・血様性の下痢 ・発熱 ・脱水症状 |
特に抵抗力の弱い子犬や免疫力の低いシニア犬などは十分に気をつけましょう。
また、犬に症状がなくても感染した生肉や糞便から飼い主さんへの感染症のリスクもあるので注意しましょう。
牛肉は健康の強い味方!栄養素とメリットとは
ここからは牛肉の栄養素や、犬が牛肉を摂取することで得られるメリットを解説していきます。
豊富なタンパク質
牛肉には豊富なタンパク質が含まれています。
タンパク質は三大栄養素の一つとされ、筋肉、骨、内臓、血液などあらゆる細胞や組織の素となっています。
そのため、タンパク質は犬の体を作る上で欠かせない栄養素とされています。
タンパク質摂取のメリット
・骨や筋肉の成長を助ける |
良質なタンパク質を適度に摂取することで、愛犬の健康維持につながりますよ。
脂質はエネルギー源に
脂質も三大栄養素の一つで、重要なエネルギー源とされています。
なんとタンパク質や糖質の約2倍ものエネルギーを作り出すことができるのだとか。
更に牛肉には体内で作り出すことのできない必須脂肪酸も含まれているので、適度に摂取しましょう。
脂質摂取のメリット
・体温の維持 |
脂質はメリットもありますが、摂りすぎは肥満につながります。
また、急激にたくさんの脂肪を摂取すると急性膵炎(きゅうせいすいえん)などの病気にもつながるので注意しましょう。
脂質は食事全体の10%程度を目安にすると良いですよ。
鉄分や亜鉛で健康をサポート
ミネラルはタンパク質・脂質・炭水化物の三大栄養素をサポートする役割があるとされています。
特に犬は動物性タンパク質の摂取量が多いので、それらをエネルギーに変えるためにもミネラルが必要なんだとか。
ミネラルにはリンやカルシウムなど比較的多く存在している主要ミネラルと、鉄や亜鉛などの微量ミネラルが存在してます。
牛肉には特に鉄分や亜鉛などの微量ミネラルが豊富に含まれているのだそう。
鉄分は体の隅々に酸素を届ける重要な働きをしており、その含有量は豚肉の約3倍もあるとされています。
また亜鉛は体内の代謝を促進し、犬の成長のために重要な栄養素でもあります。
ミネラル摂取のメリット 鉄分 ・全身に酸素を送る ・体内老化の防止 亜鉛 ・骨や歯の形成 ・成長や発育の促進 ・免疫力の向上 |
ミネラルは欠かせない栄養素ですが、1つのミネラルに偏ると他の栄養素の吸収率が低下する恐れがあるので注意しましょう。
牛肉を与える時は4つの注意点を守ろう!
犬が牛肉を食べても大丈夫な事や、牛肉を摂取することで得られるメリットが分かりました。
しかし、牛肉を与える時には注意点を守らないと、逆に悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。
ここからは、犬に牛肉を与える時の注意点4つをご紹介します。
注意点4つ 1.牛肉のみの偏食 2.香辛料 3.牛肉アレルギー 4.シニア犬への与え方 |
1.牛肉に偏らない
犬に牛肉を与える時は、それだけに偏らないようにしましょう。
「犬はオオカミが祖先だし、お肉だけ与えていれば大丈夫」と考える飼い主の方もいるかもしれません。
しかし、犬は長い間、人間と同じように過ごしてきました。
そのため、人間が食べる穀物なども食べるようになり犬は完全に雑食化しています。
さらに炭水化物を小腸で消化できるようになったことで、肉を消化する腎臓や肝臓へ負担をかけないように進化してきました。
そのため、牛肉のみを与えていると消化に負担をかけてしまう恐れがあります。
また、体内のアミノ酸濃度が高くなり、セロトニンが少なくなることでイライラするようになったり攻撃性が高まることもわかっているのだとか。
牛肉のみを与えるのではなく、バランス良く取り入れるようにしましょう。
2.香辛料には注意
犬に牛肉を与える時は香辛料には十分注意しましょう。
スーパーなどで売っている味付け肉など人間用に味が付いているものは、犬にとって塩分や糖分が過剰である場合があります。
また、ニンニクや玉ねぎ、ナツメグなど犬が食べてはいけないものが含まれているので気をつけましょう。
もし、食べていけないものを口にしてしまった場合は数時間後に中毒症状が現れる可能性があります。
早急にかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。
【警告】犬に接する全ての人へ、キシリトールを食べた犬天国へhttps://t.co/rImMZWs22e
「天国へ」とだけど要するに中毒死
えび、たこ、イカ、ネギ類、ニンニク、カフェイン添加物、葡萄、レーズン、香辛料etc
犬を飼ってなくても知ってた方が良いね
— 梵-BON- (@BON_BisexuaL) November 6, 2015
犬は臭覚が優れており、味付けをしなくても十分に素材の旨みを感じることができますよ。
3.牛肉にはアレルギーが多い!?
牛肉は犬のアレルギーの中で最も報告が多いってご存じでしたか。
牛肉アレルギーには以下の症状が現れるとされています。
〈主な症状〉 ・発疹 ・下痢 ・嘔吐 ・脱毛 ・かゆみ ・目の充血 |
牛肉を使ったご飯を食べた後に顔に赤みを帯びたり、痒がったりする場合はアレルギー症状を引き起こしている可能性があります。
万が一アレルギー症状が出た場合もかかりつけ医に相談するようにしましょう。
アレルギーを持っていないワンちゃんでも、牛肉を食べ始める時は少量からが安心です。
食後もしばらく様子を見るようにしましょう。
また、牛肉好きのワンちゃんは豚肉や鶏肉には興味を示さず、牛肉のみを食べる傾向があります。
同じタンパク源を摂取し続けると、逆にアレルギーが出やすくなる危険性もあるので注意してみましょう。
眼・口周りが荒れてきたなと思い、病院で検査したら、エルフィくん、牛肉アレルギーが発覚( ; ゚Д゚)
犬なのに牛肉がNGとは…😂
ピンクのアイシャドーみたいになっちゃって苦笑牛肉含むフードやおやつをあげるのやめたら治ってきました😅💨 pic.twitter.com/11pDhMTBzy
— エルフィ家のわんにゃんライフ (@sideyxxxxx) July 12, 2018
与える時には十分注意してみましょう。
4.シニア犬(老犬)には食べやすく!
シニア犬の筋肉維持にも効果的とされる牛肉ですが、与え方には注意が必要です。
犬も年を重ねると味覚が鈍くなったり、食欲が低下していきます。
それに従って体力も落ちてくるので、牛肉を消化吸収するにも負担がかかります。
更に弾力のある牛肉はシニア犬の喉に詰まりやすく、嚙み切る力も弱まるのでなるべく食べやすく負担のない与え方を心がけましょう。
ミキサーなどでペースト状にしたり細かく切って与えるといいですよ。
また、年齢によって運動量や代謝機能も違いますし、摂取量も変化してくるので事前に確認しておくと安心です。
牛肉の脂肪分は消化しづらく消化不良を起こしたり、膵臓の炎症から嘔吐や下痢につながる可能性も少なからずあるので、心配な方は控えておきましょう。
愛犬も安心!簡単牛肉レシピ
ここからは、牛肉を使ったレシピを2つご紹介します。
(※レシピは管理栄養士さんが監修しているという”イヌメシチャンネル”から引用させていただいています。)
1.牛野菜煮込み
ご紹介する牛野菜煮込みは牛肉と野菜を使った栄養満点ご飯です。
〈材料〉 ・牛バラ肉75g ・ニンジン10g ・冷凍カボチャ10g ・出汁150ml ・パセリ小さじ半分 |
2.鍋に出汁と【1】を入れ、蓋をして火が通るまで煮る。
煮立ったらアクを除き、肉が柔らかくなるまで煮る。
3.冷めたら器に盛りつけ完成。
2.牛アスパラ巻き
2つ目は、牛アスパラ巻きです。
こちらも簡単に作れちゃうので是非参考にしてみてください。
〈材料〉 ・牛もも薄切り肉110g ・アスパラガス42g ・ニンジン45g ・小麦粉10g(大さじ1強) ・オリーブ油6g(小さじ1強) ・醤油2g(小さじ1/3) ・みりん4g(小さじ2/3) ・水50ml |
1.アスパラガスとニンジンを牛肉の短い方に合わせて切り、ニンジンは4~5㎜角、アスパラガスは縦半分にする。
2.水を入れた小鍋にアスパラガスとニンジンを入れて火にかけ、沸騰して2.3分したらざるにあげ、水気を切る。
3.牛肉を一枚ずつ広げて小麦粉を薄く振り、アスパラガスとニンジンを各2.3本ずつのせてクルクルと巻く。
4.フライパンにオリーブ油をひき、【3】の巻き終わりを下にして焼く。
5. 焼き色が付いたら箸で転がしながら全体に火を通し、醤油、みりん、水を回しかけ馴染ませる。
6.水気が飛んだら食べやすい大きさに切って、器に盛りつけたら完成。
まとめ
今回は、犬に牛肉を与えてもいいのか、与える時の注意点についてご紹介してきました。
・生の牛肉はどうなの
【牛肉の栄養とメリット】
・豊富なタンパク質
・脂質はエネルギー源
・鉄分や亜鉛で健康サポート
1.牛肉に偏らない
2.香辛料に注意
4.シニア犬は食べやすく
【牛肉レシピ】
・牛野菜煮込み
犬に牛肉を与えていいということが分かって安心した方も多いのではないでしょうか。
しかし、アレルギーや食中毒など気をつけないといけない部分も多いということが分かりました。
ただ、与える際の注意点を心得ておけばそこまで心配する必要はないですし、牛肉には大切な愛犬の健康的な体づくりに欠かせない栄養素も豊富に含まれています。
上手に活用すれば日々のメニューの幅も広がりますよ。
是非、積極的に牛肉を取り入れてみましょう。