鹿肉は、ジビエの中でも猪肉とともに二大巨頭と言われています。
わたしもいろいろな動物のジビエ盛り合わせを食べたことがありますが、その中でも、ジューシーで食べやすく美味しいお肉でした。
ジビエや北海道の郷土料理で有名な鹿肉ですが、近年鹿肉を食べようという動きが少しずつ大きくなっています。
この記事では、鹿肉の部位と特徴・料理にあった部位・鹿肉の種類について解説しています。
お肉好きとして、鹿肉にも詳しくなっておきましょう。
鹿肉とは
昔から鹿肉を食べていた北海道や九州地方では、鹿肉は「山の大トロ」と呼ばれるほど美味で、栄養価が高いものと考えられていました。
「身ごもったら布団を打ってでも鹿を食べなさい」、「体温が上がらない時は鹿肉を食べなさい」とお年寄りから言い伝えがあるほどです。
言い伝えの通り鹿肉には身体を温める効果があります。
また、高タンパク、低カロリーで、ダイエット中の方や女性にも嬉しい栄養が多く含まれているのです。
鹿に多く含まれる栄養をご紹介します。
鉄分…必須ミネラルの一種。赤血球の一部として体内の酸素を運搬し、貧血対策が期待される。
ビタミンA…成長促進、肌の健康や粘膜維持に働きかける。
ビタミンC…抗酸化作用、免疫力アップの効果がある。
DHA…免疫の調整、脂肪燃焼の促進、記憶力の維持の効果が期待される。
アセチルカルニチン…慢性疲労の症状の軽減、認知機能や記憶力に働きかける。
同じ量の牛肉に比べて、脂肪は6分の1、鉄分は2倍と抜群にヘルシーです。
近年、鹿の異常発生が起きて、鹿を食べようという動きが活発になりました。
通販などで取り扱いがあり、家で食べる機会も増えていますが、家庭で生食は厳禁です。
鹿肉の部位10個と特徴
現在鹿肉で一番出回っているのはエゾシカです。
今回はエゾシカの主な部位10個と特徴をご紹介します。
背ロース
首から背中にのびる部位。固い筋がない鮮やかな赤身肉。色合いから「もみじ」と呼ばれる。
内ロース
中央に当たる部位。赤身で格別な柔らかさ。
内モモ
筋繊維が柔らかく脂身が少ない。
外モモ
内モモよりは筋張っているが、鹿の旨味が楽しめる。
スネ
運動量の多い筋肉部位。煮込むとゼラチンが柔らかくなって独特の食感を楽しめる。
肩バラ
骨付きの状態で出回っていることが多い。柔らかな肉質に適度な脂肪がつのってジューシー。脂肪に鹿独特の癖と甘みがある。
ヒレ
柔らかく繊細な赤身肉。臭みはなく濃厚な味わい。
ランプ
腰からモモにかけての部位。柔らかく繊細な肉質。
ハツ
心臓の部位。血管が多く、鹿独特の風味が強い。
レバー
肝臓の部位。鶏レバーよりも弾力がありプルッとした食感が楽しめる。臭みはほとんどない。
鹿肉の料理にあった部位
鹿肉には、様々な部位がありそれぞれに特徴や食感が異なりましたね。
鹿肉の料理にあった部位をご紹介します。
紅葉鍋・しゃぶしゃぶ…背ロース(もみじ)
ステーキ…ロース、シンタマ、内モモ、ヒレ、ランプ
ハンバーグ…肩ロース、ネック
唐揚げ…シンタマ、外モモ、内モモ
煮込み…スネ、外モモ、バラ
ロースト…ロース、バラ
焼肉…肩ロース
ペースト…レバー、ハツ
紅葉鍋は兵庫県・広島県・三重県で親しまれている鹿肉の入った鍋のことです。
鹿肉は調理の際、火の入れすぎに注意しましょう。
パサついたり、レバー臭が出たりする原因になります。
おすすめは低温調理です。
ツイッターでも鹿肉を調理した声を見つけました。
鹿肉をいただいたので、低温調理でローストしてみた。あとはオレンジ白菜のスープ。 pic.twitter.com/Qwr2jnI0HL
— 三浦瑠麗 Lully MIURA (@lullymiura) February 11
低温調理した鹿肉、パサつかずに仕上がって美味しそうですね。
知ってしまった鹿肉唐揚げ。これまでの鹿肉料理の中で一番うまい。溜まった肉をガンガン消費できる。
筋をとったぶつ切り肉に、下味付の時点でヨーグルトを混ぜ1時間冷蔵庫で寝かし、後は普通の唐揚げの調理法。外がサクサク、肉が柔らかジューシー。揚げたて最高。#狩猟 #鹿肉 pic.twitter.com/YjvS2qM4e5— シヌヤ (@shi_N_uya) February 11, 2022
鹿肉の唐揚げも絶品のようです。
通販では、薄切りの状態で取り扱っているお店も多く我が家ではシンプルに焼肉で試してみました。
臭みはあまり感じず、柔らかく繊細な肉質でした。
塩よりもたれのほうが良く合います。
鹿肉の種類
日本で食べられている鹿は二ホンジカですが、生息している地域でさらに細かく分類されています。
種類によって味が異なるのでご紹介しましょう。
エゾジカ…生息地は北海道。厚みのある肉質と強いコクが特徴。
ホンシュウジカ…生息地は本州。産地は山梨県や長野県が多い。柔らかくあっさりした味わい。
キュウシュウジカ…生息地は九州。福岡産が有名。独特の乳臭さが残るのが特徴。鹿独特の旨味も強い。肉質は柔らかい。
ヤクジカ…生息地は屋久島。地元以外のジビエ専門店で扱うこともある。脂肪がほとんどなくあっさり。「山マグロ」とも呼ばれる。
観光地へ行った際は現地の近くの鹿肉が楽しめますし、専門店では複数種類取り揃えている場合もあります。
まとめ
ジビエなどのおしゃれなイメージで考えていた鹿肉ですが、昔から栄養豊富で知られていたこと、部位や鹿の種類によって味わいが異なることを知りました。
- 鹿肉は体を温める効果がある。
- 鹿肉は高タンパク低カロリーで、鉄分、ビタミンA、C、DHAなどが豊富。
- 鹿肉の背ロースを「もみじ」と呼ぶことがある。
- 「もみじ」の入った紅葉鍋は兵庫県・広島県・三重県で親しまれている。
- 鹿肉は火を入れすぎるとパサつきやレバー臭の原因になるので注意。
- 鹿肉のおススメ調理は低温調理。
鹿肉を食べようという動きは今後も続いていくようなので、ポイントを抑えて楽しんでいきたいです。