皆さんは、「すじ肉」と聞いて、何を思い浮かべますか。
私がすじ肉と聞いて思い浮かべたのは、スーパーで売っている煮込み用のすじ肉でした。
もちろんすじ肉という存在自体は知っているけれど、かたいんでしょっていう印象以上の情報は持っておりませんでした。
でも、調理次第ですじ肉ってとってもおいしく、柔らかくなるんです。
今回はそんな「すじ肉」についての調査を行ってまいりましたので、一緒にすじ肉について学んでいきましょう。
すじ肉って?具体的にはどこのお肉?
まずは、そもそもすじ肉ってどこの部位なのかという疑問に直面しますよね。
ズバリ、すじ肉は食肉のアキレス腱部分、または腱のついた肉のことを指します。
図で説明すると、主に⑨番や首回り、⑥番の下の脚のアキレス腱などのことですね。
また、図に記載はありませんが、牛の横隔膜はハラミと呼ばれ、焼肉屋さんなどでよく提供されています。
その中の特に筋張った部分をすね肉として扱われることがあります。
白い大きめのすじが入ったお肉をスーパーで見かけたこと、ありますよね。
それをそのまま焼いて食べたことはありますか。
私は若いころ、「牛肉だー」と喜んで買って、焼いて食べようとしたらゴリッゴリにかたくて悲しい思いをしたという残念なエピソードがあります。
歯ごたえのある肉が好きで、嚙み切る力にも絶対の自信があった私でも断念したほど、焼いただけではかたくて食べられたものではないので、くれぐれもそのまま食べないでくださいね。
次の項目では、すじ肉を柔らかくする方法について説明していきます。
すじ肉を早く柔らかくするには?時短法はあるの?
さて、そのまま食べるとガッチガチのすじ肉ですが、なぜこんなにかたいのでしょうか。
すじ肉は主成分がタンパク質なのは他のお肉と同様なのですが、コラーゲンが多く含まれています。
コラーゲンは繊維の構造が通常のタンパク質よりも頑丈で切れにくいため、かたくてほぐれにくいんです。
しかし、水を含み熱を加えることで柔らかくほどけるという性質がありますので、水の状態から長時間煮込むと繊維がほぐれて柔らかくなり、トロトロになります。
しかし、長時間煮るのはかなりの時間と労力を消費しますよね。
せっかく長時間煮ていたのに、完成間近にうっかり焦がしたりなんかしたら、おぼろ豆腐メンタルの私はショックでしばらく立ち直れません。
①圧力鍋の使用
時短の強い味方と言えば圧力鍋です。
通常1時間以上はかかる煮込み時間を大幅に短縮できます。
- 圧力鍋で少量の酒と肉を覆うくらいの水を入れて煮る
- 30分ほどしたら肉と煮汁に分け、煮汁はアクと脂を取り除く
- すじ肉と一緒の鍋に入れて、味付けをする
手順が簡単なので、圧力鍋を持っている方はこの方法が一番手っ取り早いかと思います。
臭み消しに酒を入れていますが、お好みでネギなども一緒に入れてもいいです。
今日の晩御飯は牛すじ煮込み
圧力鍋で作ったのでお肉、にんじん大根共に柔らかくなってとっても美味しい!#週末料理部 pic.twitter.com/pycP1zCk1b— りょうすけくん (@Ryosuke__916) November 19, 2021
おいしそうですし、柔らかそうです。
②漬け込み法
果物にはタンパク質を分解する酵素が多く含まれている食品があります。例えば、キウイやパイナップルなどがそうです。
料理の下処理として前日に漬けておくだけで、すじ肉のタンパク質の分解を早めてくれます。
具体的には、フルーツをすりおろすかみじん切りしたものを、ジップロックなどの保存袋に肉と一緒に入れて、一晩漬けておきます。
フルーツの量は、肉にまんべんなく果実や果汁がしみこむくらい入れてください。
でも、味がしみこんで変な味になるんじゃないかと不安になりますよね。
私も味が心配でしたが、実際に試してみると心配は不要でした。
フルーツに漬け込むことで、フルーツ特有の爽やかな酸味がほのかに感じられますが、味付けをするので特に気にはならない程度なので心配はいらないと思います。
また、大根もお肉を柔らかくしてくれるので、同じような方法で大根おろしに一晩漬け込みもお勧めです。
12時間キウイ漬け込み下茹で五分の牛すじカレー、歯要らないくらいトロットロのプルップルになるのでお前たちも急ぎなさい pic.twitter.com/IwKFCbJiXp
— まさのり監督 (@karikunn) July 23, 2020
twitterではこんな声もありました。茹で方によってはさすがに5分は早すぎるかもしれませんが、時短になるのは間違いなさそうです。
③冷凍保存
こちらは直接的な茹で時間の時短ではないのですが、既に下茹でして柔らかくなったすじ肉を冷凍しておくことで、時間のない日でもすじ肉調理が可能になる裏ワザです。
実は、柔らかく茹でたすじ肉は冷凍保存が可能で、小分けにしておけば料理に加えるだけで、時間のない日の夕飯でも手抜き感のない料理が作れます。
また、お酒を飲んでいて何か物足りない、つまみがもう一品欲しいな、なんて時にも短時間でおつまみが作れて最高です。
せっかくすじ肉を茹でるなら、多めに煮ておいて小分けにして冷凍保存しておきましょう。
今日の晩ごはん
牛すじシチュー
茹で汁でシチューを煮込みました
玉ねぎ多めに3つ使って、申し訳程度に家庭菜園のベビーキャロット入れました
残った牛すじは冷凍保存行き
いただきます pic.twitter.com/bFz5LLGM3I— ひらい民治 (@idtmj) January 8, 2021
やはり皆さん多めに作って、余ったものは冷凍しているようです。同様のツイートがたくさんありました。
時間のない日ってありきたりのメニューになってしまいがちですが、すじ肉を冷凍しておくだけで、レパートリーが格段に増えますよ。
すじ肉を使ったお勧め料理
さて、すじ肉については詳しくなれましたが、肝心なその活用方法がわからなければ宝の持ち腐れです。
この項目では、すじ肉を使ったお勧め料理や動画を紹介していきます。
トロトロのすじ肉は、煮込み料理との相性が抜群ですよ。
牛すじ煮込み
牛すじと言えば、という料理ですよね。
トロトロになったすじが口の中でとろけて、こんにゃくやニンジンなども一緒に煮ると味が染みておいしいので、我が家では家族みんなが大好きな料理です。
甘辛く煮た牛すじ煮込みは、お酒のつまみにもごはんのお供にも最高ですよね。
というわけで本日の夕飯は、牛すじの煮込み。お米にもパンにも合うよう和洋折衷の赤ワイントマト醤油煮です。美味い。#Twitter家庭料理部 pic.twitter.com/WNKRrWwjxG
— kazh (@kazhomely) November 16, 2021
この方はワインで煮込んだちょっと変わった牛すじ煮込みを作ったみたいです。
ワインやトマトで煮込んでもおいしそうですよね。
あの元モーニング娘。の辻ちゃんの動画でも、牛すじ煮込みを作ってました。
子どもが4人いて、家事も仕事もして、個人的にはあの小さく華奢な体のどこにそんなにパワーがあるのかと不思議に思うと同時に、素直にすごいなと感じています。
そんな彼女の思い出の味とのことなので、よかったらぜひ試してみてくださいね。
ビーフシチュー
私はビーフシチューはローリエの葉っぱと一緒に赤ワインを入れて、ぐつぐつ煮込んでます。
また、ジャガイモは煮崩れるのが嫌なので、電子レンジでチンして軽く焼き目をつけて、茹でたブロッコリーと一緒に盛り付けの時にのせるようにしてます。
個人的には少し酸味があった方が好きなので、最後にヨーグルトを少しだけ加えたりするのもお勧めです。
カレーやシチューって各家庭ごとの特色が出やすいので、他人のレシピや料理の写真を見ると参考になりますね。
牛すじビーフシチュー!!!
夫が2時間煮込んでくれました!!
最高に美味しかったです!!!!!
飲み物はフルーティ酢🍷 pic.twitter.com/PHkgOEg7j7— てふ500 (@__stm__) November 14, 2021
この方は旦那様が作ってくれたそうです。
男の料理、素敵ですよね。
おでん
私は若いころ、コンビニおでんが大好きで、毎回おでんを購入する際には牛すじ串とはんぺんだけは必ず注文していました。
トロトロになったすじは、口の中でとろけて、おでんのだしのきいたスープとよく合うんですよね。
最近では、スーパーなどでもすでに串にささったおでん用の牛すじも売っていますので、少し割高ですが下茹でや調理が面倒な方はそれを利用してもいいかもしれません。
もちろん自分で下茹でした牛すじを串にさして、おでんに入れるとさらに絶品なので、ぜひ試してみてくださいね。
コラーゲンが溶け出して、スープにまろやかさが出ますし、大根などのヘルシーな具材と一緒に食べると味や食感の違いが楽しめます。
#まほさく
来週の連休に温泉キャンプ予定です 天気が悪いので タープ張っておでん🍢🍢キャンプ予定ですちくわぶ無いので西日本は牛すじ入れます 特に牛すじ串とバラ入れます pic.twitter.com/OFWNX6SXbi— Koiに鯉 (@f1TcHzy20CcbXRS) November 14, 2021
牛すじが入ったおでんは元は西日本のものらしいですよね。
その他にも、牛すじカレー、牛すじが入ったうどんなど、すじ肉は様々な料理で引っ張りだこです。
すじ肉は美容に良いの?カロリーは高い?
すじ肉は美容にいいの?
すじ肉の中にはコラーゲンが多く含まれているということは、前項目で記載しましたが、そこで美容にちょっとでも興味がある方はすでに想像がついてるのではないでしょうか。
はい、ご想像の通り、美容にもとても効果的な食材です。
コラーゲンとは、肌や関節などにある、繊維性の強くしなやかな構造で体の形態や機能の維持をしているとても重要な成分です。
もっとわかりやすく説明すると、お肌に潤いや弾力を与えたり、関節などのクッションとして機能します。
ですので、コラーゲンが不足すると、肌のハリがなくなってシワになりやすかったり、関節痛や骨粗鬆症などになったりと、大変な不具合が発生します。
カロリーは高いの?
すじ肉は見た目が脂身と似ているので、カロリーが高いと思われがちなのですが、実はカロリーは低めなんです。
トロトロ、プルプルしているのは前述の通り、コラーゲンであり主成分はタンパク質なのです。
誤解されがちですが、脂質ではないので、カロリーはそこまで高くありません。
ただし、肉ですので茹でている最中にもちろん脂も出ています。必要のない脂やアクは調理中にしっかり除去することが大切です。
検索すると、むしろダイエット食にお勧めとの動画がたくさん出てきます。
ダイエット中はタンパク質が不足しがちですが、牛すじならタンパク質も取れますね。
こんなにおいしそうなのに、ダイエットにもお肌にもいいって、すじ肉を食べるメリット大きすぎですね。
まとめ
今回、すじ肉について調査してきたことをまとめてみました。
- すじ肉はアキレス腱などの筋張った部分
- すじ肉はかたいが、よく茹でることによってトロトロになる
- すじ肉調理は調理法を工夫すると時短できる
- すじ肉は煮込み料理との相性がいい
- すじ肉はコラーゲンたっぷりの美容にいい食材
- すじ肉はタンパク質が主成分のためカロリーは低め
すじ肉は低カロリーで美容にもダイエットにもよく、しかもトロトロで濃厚な味わいなのでお酒のおつまみや食欲旺盛な子供のおかずにもいいという、まさに完璧な食材でした。
寒くなってきた今の季節には皆さんもぜひ、すじ肉を利用した煮込み料理を作ってみてくださいね。
また、冷凍してストックしておけばかなり便利なので、多めに茹でて冷凍保存を試してみてください。
皆さんも、柔らかく煮たトロットロのすじ肉で、美容と健康とおなかの満足感を手に入れましょう。